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親子関係大荒れ時(2)

厳格になり過ぎず、自主性を尊重する

相談員の方から好きにやらせてみてはとの提案があったのと、のちに次の文章を読んだことで、睡眠時間については前ほどとやかく言わないで置こうと思うようになった。

私自身の行動を変えるにも、塾があるから仕方なく折れるというより、こちらのアプローチの方が心から納得がいった。


アスペルガー症候群の子は、厳し過ぎる押しつけや、強制が強い指導によっては、萎縮するか、反発するか、ダメ扱いされて不安や劣等感を強めるだけで、何もプラスになるものはない。このタイプの子を伸ばすためには、伸び伸びとした主体性と、長所や特性を引き出す関わりこそが必要なのである。ルールを定めることを、押しつけや強制にしてしまっては、百害あって一利無しである。(中略)

ルールを分かりやすく示すことが大事だと言うと、生真面目なタイプの親は、しばしば、それをルール通りにやらせることと誤解してしまいやすい。そうではなく、本人にわかりやすく、思い出しやすくするためにそうするだけであって、本人の主体性をねじ曲げてもルールに従わせるということではない。ルールは、いってみれば、道路標識のような物だと考えたらいい。道路標識を立てておかないと、ここは進んでいいのか、停まらないといけないのか、わからないので、標識ではっきりさせるということなのである。それを守るか守らないかは、本人にある程度委ねられることであり、道路標識を立てることが、百パーセントそれを守らせると言うことではない。ただ、それをきちんと守っているのを見かけたら、褒めてあげることは大事だし、まったく守っていなかったら、さりげなく注意を促すことも大事だろう。だが、力ずくで守らせるということでは決して無い。(『アスペルガー症候群』岡田尊司 p.172)


こちらの本には、アスペルガー症候群の有無に関係なく、子育て全般に通用するものが書かれているとある。

こういった情報を探したのは、普段からの関心に加えて、今回相談をする中で発達が改めてテーマとして挙がったこと、また私自身の精神状態がカサンドラ症候群なのではないかと思って本を探していた時に、同著者の『カサンドラ症候群』に出会うと共にこちらの本についても知ったためだった。

発達の様子について

相談所ではまず、生育歴について訊かれていた。かなり細かく訊かれていて、先方としては、大変さの背景にADHD/ASD等の可能性も念頭に置いていたのではないかと思う。

一例として、長男が読書好きだという話をしたら、すかさずどんな本を読むのかと訊かれ、ありとあらゆる本を読むと回答したら、「特定の分野だけでなく幅広く読むのですね」と先方2人が同時に反応していたから、恐らくASDの判断基準として確認されたのかなと個人的には思った。

乳幼児検診で指摘を受けなかったかや、保育園時代はどうだったのかなども訊かれた。私の方から大変という相談は乳幼児検診で生後半年までにはしているが、「第一子は皆さん大変です」という会話以上のことはなく、一度も発達について指摘をされることは無かった。

そして、今回の相談所は、実は長男が生後半年から1歳くらいまで、ほぼ毎日一時保育で利用していた場所と同じ館内にあった。長男は夜泣きが激しく、また日中も抱っこか母乳なしには泣き止まないことも多かったため、生後6ヶ月になったと同時に、一日の最大利用時間である4時間、私が睡眠時間を確保するため等に利用していた。

半年間、毎日のように利用していたけれど、発達について言われた記憶はない。一つだけ覚えているのは、1歳で保育園に入ることになり、一時保育の利用をストップした後のこと、半年ほど過ぎて久しぶりに一時保育施設に併設された親子スペースに遊びに行った時、当時の先生とばったり会った時に長男が驚いたように泣いたことだった。

これを見た先生が、「この年齢で半年経っても覚えているのはすごいです」とおっしゃったのは覚えている。その時の泣き方は、先生を見て一瞬目をまん丸にして、固まったかと思ったら急に泣きだしたのだった。

(3)につづく