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親子関係大荒れ時(3)

納得しないと我は動かぬ

今回の相談については、親子関係を修復はしたいが、そのためには長男にも協力をしてもらいたいという思いも伝えていた。

私が様々な悩み事について話した後に、「長男にはもう少し気持ちの切り替えができるようになってほしいと思っている」と言うと、それこそがまさに長男の特性で、「自分の納得していないことはできないし、やらない特性があるのでは」と言われた。

それはつまり発達特性で言うと何と呼ばれるものだろうかと思ったけれど、続けて以下の質問をしてみた。

長男は家や学校では確かにそうだが、塾に行くと納得はおろか、理不尽なことがあっても先生の言うことを聞いているようで、その辺りはどうしてだろうかと。

すると、それでも長男にとってはそれが納得できているからなのだと言われた。

これにははっとした。長男は納得しないと動かないことは確かなのだが、同時に不思議なくらい、「変わらないもの」として受け入れることができる。「俺は塾の先生は変わらないと思ってるよ。」と、いともあっさりと言うのだ。

夫は、この人から学べば間違いないという技術があるから、長男もそれ以外のことについてそんなに反発しないのではないかと言う。

それが本当に全ての理由だとしたら、少しどうかと思う。長男を見ていると、先生に対しては妄信、逆らえない、尊敬、割り切り、先生いかんに関わらず自分が納得が入り混じっている。

長男は時々、塾の中でもある先生の言動については、母親に愚痴を聞いて欲しくなるようなのだが、私がそれを聞いて本気で問題視し始めるのもまた困るようで、時々恋人の愚痴を聞かされているような変な気分になることがある。

恋人の愚痴を言っている時でも、「そんな奴とはとっとと別れちまえ」と言ってはいけないのと同じで、話は聞きつつも、「でも良いところもあるんでしょ?」と言った方が良いような、そんな奇妙な気分になりながら話を聞いている。

長男は塾の授業が楽しいし、塾に行きさえすれば叱られるより褒められることの方が多いらしい。ただここでも懸念があり、結局褒められる理由が成績に関する事である場合、これはとても危ういものになる。そういうものに左右されない所で自尊心が高まる経験を積ませないとと思っている。

私から漏れ出る心配を察知して長男は言う。「おかぁや、中学受験をする時点で普通じゃないんだよ。」長男は今、受験という目的に向けてあらゆる事を我慢するモードになっている。普通に考える生活は送れないと。

「俺、受験終わったら反動出るよ~。遊びまくるよ。」
「そりゃ反動は出るだろうね。出ないとおかしいだろ。」
「激しいのが出るよ~。」
「危なくない程度にね。」

納得できているなら見守るしかないと思って日々を過ごしている。

(4)につづく