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くたくたに疲れ果てようとも(4)

整理整頓できない

長男の中学受験に関しては、親は勉強時間の管理以外は完全放置と言っても過言ではない。一方、整理整頓ができないことによる遅刻や忘れ物は他の人に迷惑になるため、親も関与しないわけにはいかないと思って色々と手を焼いている。

これも元々の長男の整理整頓のできなさと、塾の宿題が多すぎて整理整頓どころではないという問題が複雑に絡み合って問題が増幅していると思う。

長男はもともと整理整頓に無頓着な子だったのだと思う。親は長男が塾に行くようになるまでそのことに気づいていなかったけれど、片鱗は小2の時点であったと思う。当時の小学校の先生から長男の机の汚さについては報告を受けていた。

なんでも教科書とプリントを無理やり机の中に押し込んでいて、中身が汚くはみ出している。それを先生が直そうと教科書類を力いっぱい引っこ抜いたら、黒い物が大量に落ちてきてぎょっとしたと言っていた。その物体はミイラ化したキノコだった。長男はキノコが食べられない。給食のキノコを律儀に抜き出して机の中に捨てていたのだ。

その長男の今現在の自宅の勉強机は下記のような様相を呈している。

Scientists say a messy desk could make you more productive

床の状態から荷物の積まれ方から何から何までよく似ている。机はここまで広くないが、広ければこうなるだろう。片付けた先から汚れるしこの状態で遅刻ギリギリに探しものをされるのだからたまらない。床に置くな、落としたら拾えと繰り返し伝えているが全く効果はない。辛い。

忘れ物等々については先生から親にも対処を求められているのだが、単純な忘れ物ならまだしも、細かい宿題に関するものだったりすると本当に困る。それがどれだか、どこにあるのか、さっぱりわからないのだ。だから長男に確認しないと準備ができないわけであって、自己管理ができない長男と一緒に確認して準備することの意味のなさたるや筆舌に尽しがたい。

ただ、できない、わからないでは単に無能であるため、親だって持ち物のチェックリストを作成して確認したり、やった宿題を把握するために、使ったノートや教材、内容を逐一メモしたり、夫婦でやれることはやったこともあったのだ。

それでも管理できない理由として、1つは宿題の指示が「〇〇について、7・5・3をやる」「〇〇はトマトで」という出され方をすること。野球選手は仕草でチームメイトに指示内容を伝えることがあると思うが、あのようなイメージなのだ。その指示の出され方もパターンが多すぎて、夫と手分けして長男にヒアリングし、内容と所要時間を書き出して把握に努めたのだが、途中で諦めてしまった。先生と生徒はこれで通じるため良いのだが、長男は自己管理できないため親も巻き込まれてしまう。

トマトをやった宿題を探さないといけないと言われても、まずトマトがどのようなものか分らない。恐らく、”解き直してまとめて特訓する”のような意味の頭文字を取って”トマト”のようにしているのだと思うが、もうさっぱりわからない。さらに、長男はノートに日付やラベルを付けないために、余計に探すのに難儀する。これも何度も書くように言っているが書かないのだ。

さらには長男の字が汚すぎて全ての課題が同じに見える。余談だが、長男の塾は成績順に前方から席が決まるようになっている。長男は本来なら最前列に座れるはずなのに、あまりに字が汚いために罰として一番前には座らせてもらえないと言っていた時期があった(これも不思議だが、テストになると普通に読める字で書く。ノートは綺麗に書いていたら宿題が終わらないと言っていたが、最近はこちらも綺麗になりつつある)。

ついでに長男はプリント類を鞄にぐしゃぐしゃに入れる。ひっぱり出したら蛇腹のようになっている。これだって教科ごとにファイルを用意して持たせているが、本人が使わないのだ。

一番困るのは、教科によっては大学ノートを切り離して一枚紙状態にする事で、私はノートをこうやってビリビリ切り離すこと自体にも抵抗があるが先生の指示だそうで、この紙を探さないといけない時は絶望する。

さらに忘れ物防止の難易度が上がる理由が、長男がその日授業に必要な一式を準備して行ったとしても、宿題のやり残しがあると塾で残りをやることがあるようで、これも毎回やると決まっているわけではないけれど、やる場合は持って行っていないと忘れ物と同様に取りに戻らなくてはいけないことがある。よって、親が持ち物のチェックリストを作ってもそれだけでは意味が無く、漏れなくやろうと思うと宿題の内容を完全に把握していないといけないことになるのだ。

春休み中、忘れ物がある度に取りに戻らされ、1時間くらい探すこともあった。先生はこれで懲りて次から忘れなくなるはずと思うのかもしれない。長男の意識を変えてもらいたいと言っていた。親も同感で同じように大学病院で忘れ物については相談したことがあったのだが、意識であれば今頃直っているはずなので、仕組みでなんとかするようアドバイスされていた。塾の方にもそういった話は共有している。意識で直ると思われると、なぜ直さないのだという怒りしか沸いてこない。

忘れ物で帰宅しても、今度は見つからないために塾に戻れないこともあった。そうこうするうちに先生から連絡があって、見つからないなら塾で対応するから塾に戻ってくるようにと指示が来る。塾に戻ってみたら自分の鞄の中にあったということもあって、これでは親が対応するにも限界があるなと思った。

全ては長男が自己管理できないのがいけないのだとしても、忘れ物については取りに戻る時間が無駄な上に、昨年も夏期講習になると通常と違うパターンになるために途端に忘れ物が増えたが、熱い中を走って往復していて、さすがに熱中症を心配した。先手を打って、忘れ物禁止令と共に、忘れても帰宅することを禁止することにした。塾には対抗措置のようで申し訳ないが、取りに戻ったとて忘れ物がなくなることは望めない。

長男には引き続き意識させるとして、忘れ物やなくし物については大人の方でも予め対策を打っておいた方が良いと思っている。例えば受験当日、筆記用具がないと大慌てするかも知れない。1セットの予備ではなく、受験の度に何か無くすことを前提に、受験の回数分準備しておくつもりでいる。

(5)につづく