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塾で本領発揮、時々撃沈(4)

問題は続くよどこまでも・・

塾の学年が上がると、予想通り宿題が増え、さらに課題のパターンもその時々で変わるようになった。長男がまた大変だと言うようになり、今度は困ったことに1つの課題にかかる時間を5時間だの8時間だのと異常な見積もりをするようになった。

あるいはその逆で、すぐ終わると言っていたのに、やり始めたら数倍の時間がかかり、予定が狂って家族もストレスになる状態が増えてきてしまった。

さらには、直前になって宿題のやり残しを思い出すことが頻発し、これは塾から帰ってすぐに宿題を書き出させたとしても一向に改善しなかった。

何度も念押しして、もう抜け漏れないね?と確認し、「ない」と返事があるのに、やっぱり後になって思い出したと言ってはやっている。本人もイライラと切羽詰まった状況で泣きながら取り組むようになってしまった。

塾で何の宿題が出ているのかは本人が把握していない限り親にはわからない。先生の書いたメモを写して帰って来ていながら漏れが発生していた。なぜ毎回こうなるのかさっぱりわからないし、わざとか?としてもメリットないのになぜ?など考えたが分からず終いだった。

時間の見積もりも、24時間あっても足りないような見積もりで毎回絶句した。何かが間違っている、先生がそんな宿題出すわけがないと反論してみても、長男は既に自分の見積もった時間に圧倒されて宿題に取り掛かる前から完全にダウンしてしまっている。この状態の長男を説得してみたり叱ってみたり、立て直すのに手を焼いた。

これをもう儀式のように毎日やられるとしんどい。

そこで、夫が長男が宿題でどんなことをやっているのか聞き取りを開始した。ワードに一度全部書き出すことにしたのだ。しかし困ったことに、塾で使われている用語がさっぱりわからない。「〇〇について7・5・3をやってくる」「△△についてポテトをする」と言うような指示で、チンプンカンプンだった。私も夫と手分けしてワードファイルに書き出してみたものの、実際手を動かしてやっていない人間には分かったようで分からない。

取り合えずやりながら把握しようと思い、エクセルを使って予めプルダウンリストに課題とやることを登録しておき、やる時に選択、見積もり時間も選択、状態を”着手”にするとその時刻が記録され、”終了”するとその時刻が入って、差分を見れば実際にかかった時間が把握できるようにした。

備忘欄にページ番号やどのノートにやったか、なんの目的でやったかなども記録しておいた。この備忘は、後日どのノートに書いたか分からなくなってカオスになったときも、振り返って探す際に役立った。

こうやっている間にも、長男は何度も絶望の淵をさまよっていた。その都度、全部終わらすことは諦めて出来る所までやったらどうか、その見積もりが正しければ他の子も終わってないはずだからと言ってみたり、あの手この手で前に進めさせた。

やり終わって想定の半分の時間で終わったりすると、「恥ずかしいです・・」などと言うものの、この儀式は必ず毎回繰り返され、「前回はそうだったけど、今回は絶対時間がかかる!」と言って悲嘆に暮れるのだった。

それでも分かったことがあった。宿題は、間違えが多いほど増えるものが含まれていて、間違えなければ宿題は減ることが予想された。そこで長男に、塾の先生が宿題を減らすことはない、よって変えられるとしたら自分だけ。自分で間違いを減らせば宿題は今より減るだろうことを伝えた。長男も見える化で実感したのか、このまっとうな方法による宿題削減に多少メリットを感じたようだった。

(5)につづく