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長男のために立ち上がってくれた友人(4)

Sちゃんママ、改めて担任の先生に掛け合ってくれる

年明け、Sちゃんママは用事があって学校に出向いたそうだ。その際に担任の先生とも話す時間があったようで、改めて長男のことについて話をしてくれたようなのだ。

先生には、Sちゃんママが我が家から話を聞いていること、我が家の長男が冬休み中に1時間半もずっとじっとして話を聞いていられたことを話して、改めて長男の味方として力添えをと頼んでくれたようなのだ。

「ドラ(我が家の長男)ちゃんは将来ノーベル賞を取るかも知れないですよね?先生、もしドラちゃんがノーベル賞を取って先生がインタビューされた時、胸を張って自分の教え子でしたって言えますか?私たちや先生だけでもドラちゃんが信じて良いんだって思える大人であり続けましょう。」

このように言ってくれたそうなのだ。ノーベル賞にはさすがに腰を抜かしたが、長男のためにここまでの思いを持って立ち上がってくれたSちゃんママにはもはや感謝という言葉では表しきれない気持ちでいる。

Sちゃんママも担任の先生のことを信頼していたからこそ言ってくれたのだろう。先生から前向きな言葉が返ってきたようで、安心したSちゃんママは「ドラちゃんをよろしくお願いします」と言うと、最後は涙まで流したと言っていた。

まさか人の子のためにここまでやってくれる人がいるなんて、まだ信じられないような気持ちでいる。長男は親がお手上げになりそうな時でも、こうやって誰かから厚い信頼とサポートを得ることがあって、思えば強運というか不思議だなと思う。人とのつながりをぜひこれからも大切にしていってほしい。

こんなに近くにいたのに

そんなSちゃんママには、過去にも長男のことで相談していたのだった。

この頃から長男のような子に対して理解があり、そういったちょっと人とは違う子をポジティブに感じる人だったのだと思う。

Sちゃんママにはじきに長男の噂等々が耳に入って見放されるのではないかと思っていたわけだが、Sちゃんと同じクラスになってからも、Sちゃんから長男の悪い話を聞くことはないどころか、授業中に長男が静かであるため、隣に長男がいると静かで授業に集中しやすいとまで言ってくれた。

Sちゃんもママに似たのか、長男を信じてくれていて、「ドラは自分の利益のために人を落としいれるようなことはしないやつだよ。」と言ってくれたそうだ。「ドラが先生達の指示に対して、なんで?って思うことに対して、逆になんでとは何だ?って怒る先生はいて、そういう先生とは相性が悪いと思う。」とも言っていたそうだ。良く見ているなと思う。

Sちゃんママが頑張ってくれた効果もあったのだと思う。担任の先生から(を通して)一時は投薬の話もあったけれど、年が明けてからもらった連絡は、長男のことをとてもよく理解してくれているように思う内容のものばかりだった。

私が「先生もやっぱり学校の中で理解を得ようとすると大変な思いをされていると思うので、申し訳ないなと思うんです」と言うと、「いや、親御さんはきっと、もっと大変な思いをされているはずなので」と言ってくださり、少し胸が熱くなったのだった。

やはりどれだけ多くの人が理解して温かく見守ってくれるかに尽きるように思う。これからも頭を下げつつ、時に毅然と、そして最終的には分かり合える方向でいけたら良いなと思う。Sちゃんママという心強い友もいて、一歩前進できた気がする。