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ギフティッド(ギフテッド)

はじめてギフティッドという概念を知ったのは、長男が小学校中学年の時だった。この年、学校生活が完全に崩壊。長男はもともとやんちゃが過ぎたり、家庭でも育てにくいと感じていたり、先生からも注意されることが多い子だった。それでも基本的には問題なく学校生活を送れていた。

それが突如、学年が変わった途端に歯止めがかからなくなってしまった。今では、当時の学校環境が長男にとっては苦痛を感じやすい方向に変化したということ、そして長男の特性では不協和を起こすことは免れなかったのだろうということが分かる。一方で、長男には長男で直してもらわなくては困るところもたくさんあった。そこはいかなる理由があれ長男が向き合わなければいけないこととして真剣に叱っていた。

学校にも相談に行ったことで、WISCという検査について知ることになり、後日受けたことによって、長男がギフティッド児の可能性が高いということが判明したのだった。

振り返ると、ギフティッドに該当しそうだと分かったのも、WISCを受けることになったのも、問題を解決したいと悩んでいたときだった。要するに、とても困っていた。問題が次々発生するし、どう考えても長男が育てにくい。そして、本人よりも、周りの方が困って疲労困憊していた。

先日、夫とこんな話をした。仮に長男をドラ、次男をぼーぼ、長女を姫子として書く。
私:ぼーぼと姫子は育てるのが大変ったって、ドラの比じゃないよね?
夫:全然違う。ありゃ例外よ。
私:ってことは、ぼーぼと姫子のIQは、ドラほど高くないってことでいいのかな?
夫:そんなことないでしょ、ただバランスが良いだけのいいとこ取りって可能性はまだ否定してないけど。
私:え?それって単なる秀才ってこと?
夫:え~!秀才の何が悪いの!?十分でしょ!
私:確かに確かに。

ギフティッドは、IQが高いことが1つ特徴として挙げられていると思う。でも、IQが高くてもギフティッドのような困難が伴っていなければ、その人はギフティッドとして指摘されることはないのではないかと思った。

知りたいなと思うのは、IQが高い、あるいは高すぎると必然的に何かしらの代償が伴うのかということ。テレビで紹介されるようなすごい子たちや、若い頃から功績が沢山あって財団からサポートが受けられているような人たちを見ると、黒歴史はあるのでしょうかと聞いてみたくなる。

あるいは、IQの項目のうち、仮に全ての数値が平均より高かったとしても、その項目間で差が大きいものがあるとバランスを欠いて支障が出やすくなるのか。長男はこれが当てはまる。

長男に関しては、環境次第では水を得た魚のようになるため、その側面しか知らない人は彼のことを問題児だとかギフティッドだとかは思わないかもしれない。環境が鍵だということは実感として感じているため、なるべく長男、そして育てる側のメンタルを健全に維持するためにも、環境の合う合わないは気にするようになった。これまでは、長男を環境の方に合わせようと矯正しすぎたかもしれないと少し反省している。バランスが難しいものの、長男に合わせすぎても結局将来長男が困ることになりかねないので、引き続き周囲との関係性を考えた行動も身につけてもらわなければいけないと思っている。