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授業中に蕪(かぶ)になる。
久々に長男に授業中の様子を訊いてみた。
母 :最近、授業中はどうしてんの?
長男:埋没してる。
母 :んは?
長男:屋上の土に埋もれてんのよ。
母 :えっ?えっ?(やっぱりまだ脱走?)
長男:ぼくは、蕪(かぶ)ですって。
母 :?? 騒いでるってこと?(ハリーポッターの引っこ抜くと叫び声を上げる植物を想像し)
マンドレイク(Mandrake)
映画版のマンドレイク[注 1]
泣き声を聞いた者は命を落とす(若いマンドレイクの場合は数時間気絶する)ので、扱うときは耳栓が必要である。
![](https://assets.st-note.com/img/1654331500225-JJ0s4ftJXy.jpg?width=800)
長男:違うw
母 :やっぱりゲームか。(下の定義3に相当)
まい‐ぼつ【埋没】
[名](スル)
1 うずもれて見えなくなること。
2 世の人に知られないこと。
3 没頭して他を顧みないこと。
長男:してません。
母 :埋没って何だい?ちゃんと手を挙げたり授業参加してんの?
長男:してるよ。でもまぁ微妙。目立つとさ、意識の中にさ、大きくなるじゃん?
母 :今でも授業中退屈だったりするんでしょ?
長男:するねぇ。
母 :そういう時はどうしてんの?
長男:教科書の先の方読んでるよ。
母 :そんなのすぐ読み終わるでしょ?
長男:うん。だから教科書の間に社会とか道徳の教科書はさんで読んでる。
母 :えっ、ばれるし、それだってすぐ読み終わるんじゃないの?
長男:道徳とかもう3周したよ。
母 :道徳!なんで道徳なの?じゃ道徳が身についたってことでいいの?
長男:道徳はね、ストーリーが面白いのよ。
母 :あんた今席はどこよ?
長男:一番前。
母 :おいっ!
”目立つと意識の中に大きくなる”
実態としてタブレットPCでゲームもしていることは把握済みなのだが、それはこの際脇に置くとして、”目立つと意識の中に大きくなる”というのが気になったので訊いてみた。
長男として、今発言しても問題なさそうかとか、発言しないほうが無難ということを考えているらしい。「余波みたいなものがあるのよ」とのことで、誰かの発言の後に下手に発言すると、悪目立ちするかもしれないことを心配しているらしかった。
長男の言うことはまだ話半分に聞かなくていけないのだが、ある程度本当だとすると、少し空気を読む子になったのかなと、多少の寂しさも感じた。以前のように周りに迷惑になるほど手を挙げたり、質問したりはしていないのかもしれない。
長男は今、先生や友達が好きで学校に楽しく通っている(と思っている)。先生のことを「型通り授業を進める先生じゃなくて、クイズも出してくれて、一人ずつ分かった人から先生の所に回答しに行くってのをやったんだけど、俺が一番正解に近かったって言ってた」と嬉しそうに報告していた。
先生にも機会があってこの事をお伝えすると喜んでくださっていたが、最初はそういう事もできたものの、今は時間のやりくりもあって型通り進めることも増えてきているとのことだった。
学校の勉強が物足りない
そんなところで長男がどう過ごしているのかなと思っていたのだが、やはり物足りなさは正直なところあるらしい。
ギフティッド児が示す通常授業への反応としてもっとも多いのは、「退屈」です。ギフティッド児は授業の半分~4分の3を「ただ待って過ごしている」という研究結果もあります*6。すでに知っていることばかりで新たな発見がない授業を受けることのつらさは、我々大人が、すでに知っていることばかり聞かされる講演会に参加したときのつらさとまったく同じです。ただし、大人はその退屈な講演会から自由に抜け出すことができますが、子どもが授業から同じように抜け出すことは許されません。仮にそのようなことをすれば、たちまち「座っていられない、多動傾向がある」と疑われるのが今日の現状です。
さらに、漢字ドリルや計算ドリルなどのように、すでに身につけていることの単純な反復を宿題などで強要される(やらなければ注意されたり成績が悪くなったりする)ことも重なり、せっかく強烈な知的探究心のある子どもが、学校での勉強に意欲をなくすのも、そう時間はかからないという状況にあります。
足のサイズが25cmの子に、20cmの靴を履かせようとしても入らない。それでも履くように促したり、履けるように頑張らなければいけないのが現実で、ミスマッチの状態が続いている。
長男は体育や図工、理科の実験、社会見学などは十分に楽しめている。一方で、教科書を使った型通りの授業が退屈だそうだ。また、反復練習は強烈に嫌がる傾向がある。