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長男のために立ち上がってくれた友人(3)

長男、Sちゃんママと二人で話す

丁度冬休みだし遊びにおいでと誘われて、Sちゃん宅にお邪魔することになった。実は誘いにはちゃんとした目的があった。この日、Sちゃんママは長男と直接話をしてくれようとしていた。しかしそれを全面に出しすぎると長男も構えてしまうため、もっと幅広にSちゃんの学校の様子なども相談がてら、学校の話を色々として、長男の気持ちについても聞いてみようと計画してくれていた。

長男も親には言えない事、様々なストレスを抱えている可能性もあって、もしそうなら早めに気づいてやる必要もあった。なかなかこの時期、親が感情的にならずに対応するのが難しかったこともあって、素直に有難く助けを借りることにしたのだった。

一昔前は近所の人たち皆んなで子育てをした時代があったと聞く。我が家は正直それに近い状況を必要としていると言っていい。子供は可愛いけれども親だけでは到底育て切らない気がする。必要な時は遠慮せずにSOSを出して良いように思っている。

親の状態を例えるならば、花粉症だろうと思う。原因物質はその時々で様々であるものの、長年にわたり長男に関する”問題”報告等々に晒され続けた結果、ついに中身が溢れ始め、アレルギーを発症してしまった。親のキャパシティ越えなのだ。

https://white-dc-nk.com/column/column15.html

親・長男・周囲の人それぞれが本来なら一歩ずつ引いて落ち着く必要があるのだが、誰もそれができる状態にない場合があって、こうなると第三者のアドバイスによって親の考え方が変わるようなきっかけでもないと、にっちもさっちもいかなくなる。できることなら親だったり周囲が包容力・受容力を上げることが最も平和な解決策だと思っている。

少し話が逸れたが、この日、長男とSちゃんママは1時間半もの間、二人きりで会話した。時折笑い声が聞こえてきていた。

後にSちゃんママからは次のように聞いている。

「ドラ(長男)ちゃん1時間半ずっとじっとしたまま話聞いてくれて、言ってることもしっかりしてるわ。まず思ったのが、物事を俯瞰的に見てる。それに同級生がやっぱり幼いって言ってた。全く異常なんかじゃないよ、大人たちの対応が間違ってるだけだって確信した。」

年が明けた後もSちゃんママはずっと我が家の長男のことを気にかけてくれていた。Sちゃんにもそれとなく長男について訊いてくれたようだった。

それで、特に授業中の過ごし方については、長男が授業中に先生の話を聞かずにゲームをしたり本を読むことで、一部の生徒は「長男=先生の言うことをきかない=素行が悪い」というイメージを持っている可能性があるだろうとのことだった。

そのイメージによって、長男が何かやったと報告すれば先生達が信じるだろうと思う状況があったり、逆に授業は聞いていないのにテストで高得点を取ることに嫉妬している子も少なからずいるかもしれないとの見解を共有してもらった。

嫉妬については、実際に低学年のときに問題になったことがあった。長男に対してあるご家庭からクレームがあったとのことで、我が家は謝罪の手紙を書いたことがあった。謝罪して終わりかと思ったら返事をもらって、そこにそのお子さんなりに頑張ったけれども長男に追いつけずに悔しい思いをしたことがあったらしいことが書かれていた。

一瞬話がつかめず、長男に「あんた逆になんかされたりしてないよね?」と訊いたら、「よく腕をつねられたり、先生のところに丸をもらいに並んでたら順番抜かされたりした。」とケロっと答えたことがあって、驚いたし知らずに長男を注意していたから可哀想なことをしたと思った。

(4)につづく