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くたくたに疲れ果てようとも(1)

長男の子育てに少し疲れてしまっていた。その内容を書くか、敢えて長男が嘘みたいに育て易く感じる状況が存在する不思議について書き、騙し騙し前に進めるか迷ったけれど、前者で行くことにした。

疲れていた理由には塾が関係している。しかし塾が大変という話では収まりきらないと言うか、長男が塾の先生達とは何があろうとも揺るぎない信頼関係を築いているのに、親が相手となると全く言うことを聞かなくなる状況があったり、塾では立派にやっていると聞くのに、家で宿題をやらせると不正だ手抜きだ見せ勉だと叱られて、その都度先生から親に連絡が入るのはもちろんのこと、遅刻や忘れ物は親にも対処をと言われる始末で疲労困憊してしまっていた。

少し前に塾の先生達と会って直接話す機会もあったため、一旦は落ち着いていたはずなのだが、春期講習でスケジュールや課題がイレギュラーになった途端に全てが狂ってしまった。

冷静になった今考えると、恐らく塾に関する問題は長男が家庭学習をゼロにして塾で全てを完結させてくれたなら解決していただろうと思う。しかしそれは無理なわけで、家庭学習の負担が増えたことに伴って様々な問題が顕在化したり増幅されたのだと思っている。

先生の言うことは聞くのに親の言うことは聞かない

問題の中でも一番親がしんどかったのは、長男の親に対する態度だった。例えば春期講習中、長男は朝9時には塾に行かなければいけなかったが、徒歩で10分かかるのに、8時50分まで宿題をし、遅刻を繰り返してしまった。

親はもちろん「宿題はもう辞めろ!早く出ろ!遅刻は迷惑がかかるから絶対に許さない!」と叫んでいる。先生からも次からは遅刻させないようにと親にまで連絡が来るようになっているのに、本当に往生際が悪かった。

それだけではない。荷物の準備は早めにするように散々言ってきかせているのに、直前になって探し物をすることが毎回のように発生した。すぐにでも家を出てもらいたいのに、忘れ物があると取りに戻らされることが確実であるため、探させないわけにもいかなかった。

そんなこんなで長男は宿題は終わらないわ、遅刻はするわ、親にも先生にも怒られるわという状態で、親は毎回塾に謝罪、さらには少しでも遅刻の影響をなくそうと、仕事の合間を縫って長男を自転車に乗せて塾まで送ることもしていた。

それなのに、毎朝怒る親に対して、長男は叱られることが納得がいかないような顔をしていたのだった。親からしたら長男の方に、いい加減自分事と捉えて何とかしてほしいと思っている。それが伝わらないのは正直しんどかった。

そして、このあたりについては、塾の先生とも定期的なやりとりで共有している。課題が未達の理由もその時々で違うため、共有しておかないと誤解を生んでしまうこともある。

これは春期講習中のある日、父親が塾に送った謝罪メールである。


父親から

この日は協力して自転車で送って行ってやる気持ちすら持てなかったのだと思う。父親のメールに対して、先生からは以下のように返信をいただいている。


塾の先生より

長男の通っている塾は勉強だけできれば良いという塾ではなく、人としての成長も大切にする方針を取っているため、幸いそれが長男にとってもだし、家族にとってもプラスになっていると感じることがある。

「個性」の話については、恐らく塾で作成した性格のレーダーチャートのことを指しているのだと思う。長男は少し幼稚な所があるという結果だったそうだ。

気付けば今、長男は親には反抗してでも塾の先生の言う事は聞きたいというモードになることが増えてきている。宿題をぎりぎりまでやってしまうのも、ある意味では先生との約束を守りたいとか、自分でやると決めたことはやりたいとか、勉強への意欲と見ることもできる。

しかし、そのために家族を振り回したり、周囲にも迷惑をかけているようだと、それは周りにとってはストレスでしかない。

以下、父親が書いたお礼の返信だ。


父親より

塾の先生はこのように、親からの相談、週末の家庭学習のフォローなど、頻繁に対応してくださっている。

(2)につづく