井の中のカワズ、高齢出産を思考する

最近、四十路の出産が増えているそうな。

カワズはそこそこ早めの出産だったが、4週目から始まった悪阻でひと月で−5kg以上体重が落ち、更に切迫流産を数回、後期には大出血による緊急入院など様々な経験と、入院期間中の同室のオネーサマに意味不明なイヤミを言われ、最終分娩時に緊急で帝王切開になったと思ったら麻酔が効いておらず、麻酔なしで帝王切開続行の上、我が子が小さく翌日別の病院のNICU送りとなり、搾乳すれば出し過ぎと看護師に怒られる謎の経験をした上で、退院したら布団と仲の悪い我が子だったという経験を持っている為、更年期に差しかかった現在、同世代の皆様が妊娠出産にチャレンジされる(かも)という話を聞くと、
『しんどくないの?大丈夫?』
と、先ず心配になる。
世の中、マタハラだとかセクハラだとか所謂デリケートな話題だから当たり障りなくオブラートに包んで、
『良かったね、おめでとう!』
のみで敢えて何も言わない風潮のように見えるが、カワズは思考する。

『現実と未来を見据えよ』

嫌味ではないし、産むな作るなという話ではない。

どんだけ当たり障りなく祝い事であったとしても、負担がかかるのは母親の体だ。

赤ん坊とは愛でられる為に在り、世話を焼かれるのが当然の存在である。
手がかかればかかるほど愛しく感じるが、体力と精神力が追いつかなければ憎々しく感じる人も確かに存在するのだ。

カワズは言いたい。
せっかく授かった赤ん坊だけでなく、母になった貴女も同時にケアが必要なのだと。

肉体年齢が若くとも、産後女性ホルモンが復活するまで個人差や条件はあるが半年から1年かかるのはご存知だろう。(要は再び月経が始まるまでの期間)
これが高齢出産で尚且つ四十路半ばに差し掛かっていれば、産後の女性ホルモン枯渇からそのまま更年期に突入し、閉経の可能性も出てくる。更年期とは閉経の前後5年ずつ合計10年程をいうらしいが、閉経の平均が51歳とすれば上手くしなければ、妊娠期間中我が子を育み低下した肉体からそのまま更年期による更なる肉体の衰えを迎えてしまう。

子育てを頑張るのは良いことだ。
でも、貴女だって大切なのよ。
母乳に拘らなくたって良い。断乳したら、自分の将来の為の栄養素(カロリーではない)をしっかり摂取して、骨粗鬆症を予防したり筋肉を復活させることを優先して欲しい。
我が子の世話は最優先だけど、他の家族の世話は優先事項ではない。
パートナーは大人であり自分のことは自分ででき、尚且つ復活するまでの貴女と子のサポートをするのが当たり前の頼れる存在であることを忘れないで欲しい。(頼れない人だと分かって選び、諦めてるなら仕方ないけどね)
使えるものは祖父母も使う。高齢者を支える税金を払っているんだから、堂々とお願いしましょう。(嫌がる権利ももちろんあるけど、言うのはタダだからね)
余裕があるなら、有料のサービスだって高価な家電だって使って楽をする。
これまで頑張ってキャリアを積んで蓄えてきたからこその高齢出産なら、使うべき時にお金は使うものだと思う。

お金はなくとも若さで勢いつけて楽しみながらの子育てか、大人の余裕でお金を使える楽しみもある子育てか、個人個人違うだろうと思う。

でも、はっきり違うのは肉体の回復と体力。

がむしゃらに子育てを頑張って気付かず倒れる母親を、見て見ぬ振りをするのではなく手助けできるといいと思う。

そもそも歳を取ることを恥ずかしいとか、女は若くないと価値がないみたいな価値観がおかしいんだから、更年期だって自然で当たり前なんだよ。恥ずかしがって言わない、母親とはこうあるべきという固定概念は無視して、自分の体とも向き合う妊娠出産を経験すれば良いと思うこの頃である。

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