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生きるって本当に難しい

大学生終盤になって、ついに私にも将来について考える時期が訪れてしまった。
しかし、そこで私は思考の渦にはまってしまいメンタルが落ちに落ちきってしまった。
なんてこった……こりゃあ大変だ。
ここは一旦落ち着いて、自分の人生と価値観について振り返ってみようかな。
そこで一番に思い浮かぶのは学歴という言葉だろう。

私は母親の影響もあって、学歴が全てだと思いこんでいた。学歴さえ良ければ人生が上手くいく、なぁんて本気で思っていた甘ちゃんでした。
だから中学受験も大学受験も頑張った。勉強は全てを解決してくれる。努力は決して裏切らない。
この言葉を信じて私は頑張ることが出来た。そしてそんな自分が少しだけ好きだった。

だけど現実はそうでもないらしいということに最近気づき始めた。
そのきっかけは就職活動だ。


私は始まる前から就活に向いていない人間だなと勘づいていた。
何故なら、私自身真面目な性格で、就活というのは正解のないゲームだからだ。プラス私は小生意気な性格。この時点で相性が悪いのがバレバレだ。
私はテストのような正解を求められるゲームは得意だ。他人から評価されやすいからコスパがいいとも思う。
だから、学生時代は言われた通りのレールに乗っていれば、自然に周りの人から評価されていた。

だけど就活が始まったら壁にぶつかるぶつかる……。
バカ真面目に何度面接練習をしても何かと改善点を指摘される、本音で話せと要求されるが、本音で話したら否定され話を盛れと言われる。

「naoさんが社会に対して何かしたいことってありますか?」
「えっと……すみません。実は本当に何も思い浮かばなくて」
「だめよそんなんじゃ!!絶対何かあるはずよ、ちゃんと自己分析したの??まだ甘いんじゃないの??」
「今のnaoさんは就活軸を会社に寄せちゃってるから良くないよ」
「就活は婚活と一緒なの、会社のいい所を探して働いてる自分を想像するの」

ちゃんとしたよ、白紙100枚埋めるくらい頑張ったよ。それでも1mmも社会貢献したいなんて思えないんだよ。
会社に寄せてる、そりゃそうだよ。私の本音なんて言えたものじゃないんだから捏造するしかないじゃないか。
会社のいい所?どうせそちらも「盛って」いるんだろ??
私は自分を大切にしたい、他人軸で生きていたいと思えない、好きな自分でいたい、志望理由なんてあるわけない。
だけど、こんな意見を言うとバッシングを受ける。そんなはずは無いと。
もう訳が分からない。

それでも時間は進むから、偽りの自分を演じて面接に臨んだ。
社会貢献がしたい自分、成長意欲のある自分、会社に身を捧げたい自分。
私は人と喋るのは得意な方なので、わりと面接は上手くいった。
だけど、 自分や周りに偽ることに日に日に心が疲弊していった。
就活界隈に踊らされる自分が惨めで仕方がなかった、面接官に媚びを売る自分が気持ち悪い、そんな自分を許せない。何より周りの流れに合わせられない自分が嫌で消えてしまいたかった。
そこで私の何かがプツンと切れてしまった。

そして私の両手に持っていたのは適応障害の診断書と睡眠薬。
真面目に就活をした結果がこれか、なんて皮肉なんだろう。


それから、生きるってなんだろうと考えるようになった。考え方を変えなくちゃ今度こそ潰れてしまうと思ったからだ。
私にとって生きるとは、努力して周りに認めてもらうこと、それなりの収入を得ることだった。
だけど、どうやらそれは私の本心ではないのかも。
高校時代まで自慢にしていた精神力は年齢とともに落ちていくらしい。だから頑張る調整が必要になっていく。

頑張るって終わりのないものだと思う。
頑張っても頑張ってもさらに頑張りを要求される。頑張ると疲れるから少しだけ休憩したくなる。だけど、一度休憩するとそれだけで異端者というレッテルを貼られる。
なんて難しいんだ……。
結局私たちは社会をまわす滑車を走り続ける齧歯類で、そこから外れてしまったら戻ることは難しいのだろう。
中学受験、大学受験、就職活動、結婚、子育て、昇進。私はあと何回頑張らなくてはいけないんだろう。


それでも私は自分の心を大切にしたい。
私は社会の役に立つために自分の心を殺したいなんて思わない。
もちろん、社会との繋がりを持つための手段として労働が選ばれるのはわかる、私もそうするつもりだ。
だけどどうして自分の人生を他人軸に置かなくてはいけないの?
よく就活界隈では、自己分析をして社会軸を見つけろなんて言われるけど、私はいくら分析しても見つからないのだ。
工場の労働環境を変えたい?会社の効率化に貢献したい?社会の根幹を支えたい?
そんなこと1度も考えたことない。
私の家は搾取される側だった。そんな環境で育ってきたから、ビジネスに純粋な社会貢献は求められないだろっと思っている。結局金なのだから。
こんな人間に社会貢献もクソもないだろう。

面倒臭い性格な私も悪いけれど、生きるって本当に難しいと感じる。
これはただの夢だけれど、将来はいろんな国を旅したい、ワーキングホリデーに挑戦したい、SNSを通じて私みたいな繊細な人の心の支えになりたい。
人はいつこの世からいなくなるのかわからない。それは30年後かもしれないし明日かもしれない。それなら後悔のないよう生きていたい。やりたい事があったら迷わず実行したい。人の目なんて気にしない、自分を大切にしたい。自分を大好きでいたい。
これが私の理想の生き方なのだ。


1年後の自分がどうなっているか全く予想できないけれど、社会の歯車に挟まってグシャグシャになっていないことを願っている。
そして、私のような人達が少しでも救われてほしいなと思う。


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