旅の記録#9 函館
最後の街は函館
ようやく北海道を出ることとなった。おおまかに予定していた目的地から新たな発見と予定変更でかなり日数を使っている。それでも北海道は、改めて見に行きたいところがまだまだある。最後の街である函館もその一つだ。函館は、明治以降の北海道の玄関口となった街であり、また北海道開拓のシンボルでもある。
美しい港街
北海道の登別から洞爺湖を過ぎ、長万部町、八雲町と南下していくと、最後は急に近代的な港町に入り込む。周囲に自動車しかない道をひたすらに走っていた状態から傾斜の強い橋を渡ると、景色は一変して、多くの観光客で賑わう近代的な街並みになる。その変わりように、魔法にかかったようにキョロキョロとしてしまう。
お土産屋など多くのお店が入る赤レンガ倉庫やラッキーピエロ、ハセガワストアなど函館ならではの人気店が勢揃いしている。
函館で出会ったものいろいろ
宿の周りはハリストス正教会をはじめとする教会群の有名な観光地だった。八幡坂や日和坂など平地からしっかり傾斜する見栄えの良い坂の上には数多くのカフェが点在していた。
普段、地元では見ることのできない市電に乗って、朝市で有名な函館駅前に行ってみることにした。道路の真ん中の軌道線に沿って市電がガタゴトと走っていく。暑い日だったので、開けた窓からの風が気持ち良い。朝市は活気に溢れ、魚やカニ、ウニ、昆布の販売だけでなく釣った後に刺身にしてくれるイカ釣り体験ゾーンもあった。
街の中心にあるシエスタハコダテは、無印良品が3フロアも占める、言うなれば「無印良品の城」だった。北海道と関係ないけど見入ってしまう。バイク旅だから余計なものは買えなくて悔しい。4階には函館出身のバンドGLAYを讃える巨大なレリーフがあった。GLAYのエンタメ業界での活躍を知っていればこのすごさも納得だ。
その他、夜の街では一軒のバーに立ち寄った。マスターとここに来たいきさつなどを話していると、常連客が1人2人とやってくる。「祭りの時間は何時やろか?」「もう宣伝の船は走っとるのかね?」などと聞こえてくる。明後日行われる、この辺で1番大きいお祭り「港祭り」のことだ。まだ函館にいるなら絶対見に行ったほうがいいよと言われるが、明日フェリーに乗る予定なので残念だった。その後はこの辺りでオススメな場所をいろいろ教えてもらったり旅に関してそれぞれの話を聞いたりして楽しい時間となった。店を出ると、灯りを万歳に積んだ漁船の自動車?みたいなものがスピーカーで何かをしゃべりながら、サーっと大通りを横切るのが一瞬見えた。宣伝の船ってあれか。
明日は、ようやく北海道を出航する。長かったような短かったような旅だったが、絶対にまた訪れたい。
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