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読書会は金曜日
集まる時間になると、ポツポツやってくる。
それは読書会と呼んでいいのか、どうかわからない。
なにしろ本を持ってきていない。
誰一人として、持ってきていないから一体何をするのか、という疑問を持つのは当然だ。
だから丁寧に説明させてもらうから待って、もう少し待ってください。
今日は金曜日です。そう、知っていますよね、金曜日は平日の終わりです。
明日は休みだ、何をしようか、と誰もが楽しくなるのが金曜日なわけですよね。
その金曜日、本を持たずに、読書会をする。
何かおかしいですよね。
そう、僕だってそう思います。
けれどこれは読書会なんです。
みんなそう信じています。
みんな。
この読書会は毎週開催されています。
終わりはありません。
メンバーはその日によって変わる。
何をするのか、と聞かれると困る。
何もしないから。
何もせずに、けれど大体珈琲を注文する。
人によっては、スコーンも注文する。
その店はその2種類しかない。
それだけで勝負するのもなかなか勇気がいる。
それは置いといて、ズズズ、と珈琲を啜りながら、あるいはがじっとスコーンを齧りながら、誰からともなく、語り始める。
物語を、その人の見つけた物語を語り始めたら、誰かがそれに追随し、語り始める。物語は重なり、合わさり、滲み出す。
そうなったらもう戻れない。
読書だ。
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