親友へ。
いつかの冬の出来事。
今日は季節外れの小春日和。
外はすっかり春の匂いだ。
夜のこの匂いで、どこか寂しい気持ちになるのは僕だけだろうか。
人肌恋しい季節とは決別するはずなのに。
何がこんなにも哀愁をもたらすのだろう。
現状に対するやるせなさか、はたまた過去への羨望か、、。真実は分からない。
過去への羨望と言えば、昨日親友に
「適応障害になりながらも、挫けず前の仕事を続けていたら、また今よりも良い、違う生活ができたのかな」
と口にしてしまった。
僕は以前、親友とは遠く離れた地で働いていた。
もちろん、悪気があって言ったわけではなく、話の成り行きで思い出したように発したものであった。
それに対して彼は
「今こうして2人で会えてるし、嬉しいよ」
と素直に口にしてくれた。
顔は見れなかったが、どこか怒ったような、寂しそうな表情をしていた。
申し訳ないことをしてしまった、、。
このことはきっとふとした事で思い出すことになるのだろう。
今を大事に。未来を大事にしていきたい。
過去が自分を作り上げていることは間違いではない。だけど、それに囚われすぎないように。
今が1番楽しいって心から思えるように。
明日は気温がぐっと低くなるみたい。
春の匂いの中に人肌恋しさがのぞいている。
物思いにふける僕を慰めるかのように、風が頬を撫でた。
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