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ココロが揺れた映画感想文

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もう一度観たい映画の感想を書いてゆきます。
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#オダギリジョー

『空気人形』是枝裕和監督

『空気人形』是枝裕和監督

 最近、見た映画で心に残っているのは是枝裕和監督の「空気人形」です。(2009年度公開)
「空気人形」とは、ラブドール。等身大の女性の柔らかい感じの人形で、恋人のいない男の人がそれを抱いて寝る感じでしょうか。

このラブドールには「のぞみ」(ぺ・ドゥナ)という名前があり、ある日突然、人間のように魂が宿ってしまいます。しかし、のぞみを買った主人(板尾創路)はすぐに彼女に飽きてしまい、のぞみは押入れ

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映画「茜色に焼かれる」

映画「茜色に焼かれる」

2021年に公開された不思議なタイトルの映画「茜色に焼かれる」この映画のポスターでは、主人公の良子(尾野真千子)が、洪水のように溢れんばかりの涙を寸手のところでダムのように堰き止めている。この刹那的でありながら、どこか力強さを秘めた良子の瞳は、映画を観る前から観る者に情動的な感情を駆り立ててくる。良子は、ここでもう、観客に問いかけているのだ。生きる、ということの根源的な意味、を。

良子は7年前に

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