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転機を作る力 【13】企業編-企業文化(2)

 それでは、前回触れた社史やヒアリング結果などの会社の資料が整いましたでしょうか?会社のターニングポイントになった逸話から、企業文化をあぶり出していきます。

 まずは次の表に資料を元にして記入していきます。

企業文化

 この表の作成例として、私が実際に幾度も訪問し従業員とも交流した会社の事例を当てはめてみます。この会社との接点は、この会社の経営陣の一人であったオリンピック代表選手の父親でもある方と知り合ったのがきっかけでした。

 社長、経営陣、従業員のすべての方々が自信に満ちあふれていたのが印象的であったので、その会社の生い立ちを聞いたところ壮絶な過去があり、皆さんはいまだにその時のことを忘れないと話してくださいました。

 いまでは、新入社員も採用するほどに業績が伸びました。そして、社員を新たに採用すること、受け入れることにこれほどまで会社全体が真剣になっているのを私は見たことはありません。従業員が第一と標榜する会社はたくさんありますが、それを具現化するレベルの高さに驚かされました。

 さて、この会社の逸話は次の通りです。

企業文化 例

 企業文化や価値観の重要さは、「ビジョナリー・カンパニー」「エクセレントカンパニ-」のビジネス書籍が飛ぶように売れたことからも関心の深さを伺うことができます。しかし、会社の事例をあげて模範にしなさいといわれても従業員はすべて納得するのでしょうか?北米企業は現CEOの考えで企業文化や価値観を形成することができるので、確かに成功するでしょうが、日本文化に根付いた価値観をもつ日本企業には適用することは困難です。

 灯台もと暗しという喩え通り、身近な資料や情報に企業文化や価値観を探る鍵が隠されています。社史編纂室に任せて、過去の黒歴史を隠しては本来の社史の役割を損ねることになってしまいます。

 この章で今一度会社に厳として存在している価値観を見つめ直す機会となり、次章触れる会社の動機へと結びつくきっかけとなったでしょう。


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