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浜学園長が語る、算数が得意な子と苦手な子の決定的な差

浜学園。

関東ではなじみが薄いかもしれませんが、西宮市に本部を置く進学塾(1959年設立)で、灘中合格者数は18年連続1位。

「日頃から競争環境に身を置き、強い心を育む。」というのが塾の方針。

モットーは、ズバリ、「常在戦場」。

子どもに合うかどうかはともかく、ある意味でとてもわかりやすいです。

浜学園の橋本学園長が、算数が得意な子と苦手な子の違いを解説していましたので、その内容を紹介したいと思います(橋本氏は算数講師でもある)。

算数激ムズの灘中に合格するような小学生は、やはり持って生まれた素質があるのでしょうか?

橋本氏によれば、意外なことに、算数に「生まれつきのセンス」は関係がないといいます。

中学受験において、算数を得意科目に育てられるかどうかは、センスではなく、「算数をゲーム感覚で楽しめるかどうか」が分かれ道になるそうです。

パズルやクイズを解くのと同じ感覚。

ただ単に「算数が好き」ということではないと。

例えば、ある生徒が講師に教えてもらいながら一生懸命図を描いたりグラフを描いたりして10分かけて理解した問題を、自分なりの見立てで「これ、こうじゃない?」と1分で解いてしまう子どもがいる。

前者の子どもにとっては、算数はしんどい「勉強」ですが、後者の子どもにとっては「ゲーム感覚」で、考えることが苦痛でないという。

それをセンスと言うのではないのでしょうか?

その場のひらめきではなく、電車やバスに乗っても、何をしていても、常に算数のことを考えていて、「あの問題どうやって解こうかな?」と、常に「考えている感覚」が、問題を解く場面で発揮されるのだといいます。

考えている感覚が楽しいから「算数が好き」になり、算数が好きだから考えることも楽しくなる。

確かにそれは強いです。

何しろ、普通に生活している間も勉強しているのと同じなわけですから。

問題はどうしたら「算数の問題を考える感覚が楽しい」と思えるようになるかですが…。

問題が解けたとき、何かのきっかけで嬉しいと感じる信号が脳内で出て、以後、その行動が強められるという、いわゆる『強化学習』なのかもしれません。

(強化学習については、以前当Noteでも紹介しました↓)

『中学受験痛烈批判の脳科学者・茂木健一郎氏が言っていたこと』
https://note.com/gifted_mimosa213/n/nd77801b6985f

「ゲーム感覚」に関して、もう一つ、橋本氏が挙げていたことがあります。

塾の講師から教わった解法を習得するのが勉強だと思っている子どもにとって、算数は手ごわい教科になってしまうという点。

「やらされているパターン」に陥り、伸びなくなるといいます。

これに対し、いろいろなやり方を見聞きしながら、そのなかで自分にとって一番いい解き方をチョイスしていくことが勉強なのだということがわかると、問題を解くことが楽しくなっていくといいます。

いろいろな解法があるとかえって混乱してしまわないでしょうか?

本来子どもはゲームが得意なので、三つの解法を教えたらその三つを上手に使いこなせるようになり、そのうちに最も短時間で答えにたどり着く解法を自分で選択できるようになるといいます。

そして、一つ一つの解法に価値を見いだすとさらに頭を使うようになる。

分かる気がします。

我が子の中学受験に3年間伴走してきましたが、中学受験算数の問題は、図形も数字系も解き方は一通りではありません。

塾のプリントにある解法が常にベストとは限らず、出ていない解き方の方が最善手だったこともあります。

最も効率的で速い最短な解き方は問題によって異なるので、パターン化できるものではありません。

もっといい解き方はないかと考えながら、実際に色々な解き方に触れ、どの場面でどの解法がいいのかという感覚を身に付けていくしかないと思います。

一見、とても非効率で、時間もかかりスマートでないやり方ですが…。

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