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香坂秋のエッセー

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日々の景色を綴りました
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#母からの伝言

写真がない!事件

写真がない!事件

母が亡くなった時、遺影用の写真を決めるのに、父と母のアルバムを開いた。
すると、最近のモノがない。古いページも所々剥がされて(はがされて)いた。
父と二人で「なんだ!?」と首をかしげる。
だいたい、年齢を重ねた人の遺影は礼服姿から切り取る。

そして仕方なく、若かりし頃(20代)の写真を選んだ。
そして、葬儀の遺影として、飾る。

すると、直接今の母をしらないご近所の男性が遺影を見つめ
「お若いの

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あの日を忘れない(長崎原爆投下の日)2/2

あの日を忘れない(長崎原爆投下の日)2/2

あの日から行方不明の母の弟。
新築していた諏訪神社近くの家とは別に本来の家は坂本町にあった。
そこは爆心地から600mほど。
ほぼ周辺にいた人は灰となっていただろう。
投下の前日、母の父(祖父)に叱られ殴られたせいで肩を痛めていた。
(当日は)母いわくおそらくもとの家の方に行っていたのだと思う。」と言っていた。

母の弟を可愛がっていた祖母もその日から一言も弟の話をしたことはなかった、という。

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あの日を忘れない(長崎原爆投下の日)1/2

あの日を忘れない(長崎原爆投下の日)1/2

1945年8月9日、長崎に原爆が投下された日です。

わたしの母、母の両親、母の弟が被爆ました。
そして、弟は今も行方不明のままです。
そういった彷徨える(さまよえる)魂が今もそこにいるのだと思います。

幼い日からわたしは母からその日のことを聞かされました。

おそらくわたしが記憶しない幼い頃から母はあの日のことをわたしに聞かせていたと思います。

そこは諏訪神社近く。
(戦争中だというのに、新

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