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ぼくらはマンガで強くなった

NHKのBS番組でシリーズ放送されて、長らくなかったものの、2024年2月23日に「キャプテン翼~夢と現実が交差した43年~」が放送された。
「漫勉」と並んで、NHKの良質なサブカル番組として注目していたので、純粋に嬉しかった。

ただし、どうしてポッカリと放送がなくなったのか。
東京オリンピックを見越した番組だったと云えばそれまでだが、それだけか?実際、スポーツに特化した漫画が減ったのだろうか。そうとも考えた。

実際、人気漫画と人気スポーツは連動するか、もしくは触発されてどちらかが人気になる。そういう傾向だった。
ON時代はプロ野球スナック片手に、野球漫画や野球アニメに溺れて、少年野球チームにまで参加しただろう?いまの50~60代のオールドボーイズには覚えがあるんじゃないか?
反面、サッカー人気は「キャプテン翼」愛読世代がJリーグ人気に乗って牽引したと思う。バスケも「スラダン」以前に漫画がなかったが、一気に波に乗った。
漫画とスポーツの人気は、必ずと云わずとも比例すると断言できる。

ぼくらはマンガで強くなった

この番組で扱ったスポーツと漫画は、どんなものだったか。
 
テニス  : テニスの王子様・ベイビーステップ
野球   : MAJOR・ダイアのA・巨人の星・おおきく振りかぶって
      ・タッチ・H2・グラゼニ・キャプテン
自転車  : 弱虫ペダル
体操   : ガンバ!Fly high
水泳   : ラフ
ボクシング: あしたのジョー・はじめの一歩
柔道   : 柔道部物語・修羅の門
バレーボール : ハイキュー!!・アタックNo1
登山   : 岳
サッカー : GIANT KILLING・キャプテン翼
プロレス : キン肉マン
なぎなた : あさひなぐ
駅伝   : 奈緒子・かなたかける
卓球   : ピンポン
バレエ  : アラベスク
競馬   : みどりのマキバオー
相撲   : うっちゃれ五所瓦・バチバチ
十種競技 : デカスロン
ゴルフ  : 風の大地・オーイ!とんぼ
バスケットボール: SLAM DUNK
フィギュアスケート: モーメント 永遠の一瞬・愛のアランフェス     
    など

スポーツか怪しいものもあるけれど、
「努力・友情・勝利」
がしっくりと来る名作が多い。その取り上げた作品の多さも、その時代の人気競技になったことを反映する。

ただし、これだけ景気も落ち込んで少子化になった令和日本に、
若い人を熱くさせる漫画とスポーツが、これから先につながるのだろうかと、不安にもなる。
コンプラだとか、ハラスメントだとか、アスリートは自分を追い込むためにその辛さを飲み込んで越えてきた。現代日本でそんなもの、指導者だってやらないだろ。選手が自分で課すことも出来ない。
フィジカルとメンタル、両方鍛えた者だけが越えてきた世界に、ハラスメント社会の過保護な選手がどう戦うというのか……。

これが日常茶飯事だった昭和アスリートの世界

これを美徳とは云わないし、思えない。
でも、漫画から勇気を貰ったというアスリートのモチベーションも理解したい。そのスポーツにフィットした漫画があれば、幸せだ。
漫画がないスポーツもある。

スポーツに人気がないのか?
人気がないから漫画がないのか?
漫画がないからスポーツを人気にできないのか?

変なトライアングルになっているのだろうか。

でも、アスリートじゃなくても、
「努力・友情・勝利」以外に
漫画が教えてくれることもある!

『ドカベン』(水島新司)「ルールブックの盲点の1点」(単行本35巻収録)

こういうことは、現実にありえない偶然。
だけど、漫画だからできること。
こういうことも漫画は教えてくれる。

人気種目じゃないからスポーツ漫画が出ない、売れない、知らない。
時代を先取りしたスポーツ漫画の登場を、期待したい!
そして、アスリートの可能性も応援する!