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その作品をイメージする曲や歌はありますか?

前回、「小河内ムーンライト」の作品テーマがジャズであり、グレン・ミラーの名曲「ムーンライトセレナーデ」をイメージにしたものという紹介をした。
全てという訳ではないが、作品の人物や世界を描くとき、イメージする役者さんをそこに投影することがある。同様に、この曲(もしくは歌)がピッタリというノリで描く小説もあるのだ。

夢酔藤山著「聖女の道標A Japanese Nightingale」

実在した日本赤十字病院看護婦、第1回フローレンスナイチンゲール記章を受賞した、日本のナイチンゲールで、従来の看護婦の理想形を確立した戦前の人。
この作品を連載したときに意識していた事。
「こんな王道の朝ドラを観たかったんだよ」
それくらい、平成10年代後半のNHK朝ドラって、スベッてましたよね。視聴者は誰を意識しているんだくらい、ちぐはぐ。いまの紅白と同じ。
そも朝ドラの王道って、女の半生記もしくは一代記というような、山あり谷ありを越えた達成に真価があった。「おしん」がどうして売れたか、そこに全てがあったからでしょう?
王道を描きたかった。
「朝ドラ以上の朝ドラにしよう」
大それた豪語で描いたこの作品は、有難い事にあちらこちらで評価をいただいたし、舞台にもなった。
その当時、登場人物には俳優さんをイメージしたりした。いまだったら伊藤沙莉さんが萩原タケにピッタリなのだろうな。若い時代から晩年までを通して演じられそう。
この「聖女の道標A Japanese Nightingale」に意識をさせられた歌があります。

この歌、聴いたことありませんか。いい歌ですよね。
五日市という秋川上流部の田舎にいて、明治新時代の大きなうねりの蚊帳の外に置かれていた少女が、挫折と赤貧と希望と夢を抱いて、上流階級の多い日本赤十字社で大きく大成していく。生涯を職業婦人として過ごし、国内外に交友関係を拡げ、決して派閥を設けず、日赤社長に就任した徳川家達からは「萩原に任せれば安心だ」とまで言われた。看護婦の頂点にありながら一切の保身も妥協もなく、理想のスタイルを確立し、いまなお日赤では神のように崇められる。そのスタートは、名もない平民。
時代の激動もあった。
日清戦争……明治三陸大津波……北清事変……日露戦争……第一次世界大戦……ポーランド孤児問題……関東大震災……アジア初の赤十字世界大会……その多くに萩原タケは関わった。安楽椅子の組織人ではなく、常に臨機応変の判断を負う現場に立ち、晩年は指揮を執った。
職業婦人としての社会的地位の向上にも尽力した。看護婦の外国語教育を推進する津田塾大学との提携は、萩原タケが亡くなるまで続いた。言い換えれば萩原の死とともに打ち切られたとも云える。

朝ドラになったとき、この歌がOPだと、王道朝ドラになる気がする
 
♪ JUMP  作詞:渡辺美里 作曲:小室哲哉

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