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一首感想

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一首評というのもおこがましく、ただただ好きな短歌について話したいと思っています。
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2023年9月の記事一覧

一首感想『拾ったら手紙のようで開いたらあなたのようでもう見れません』

この短歌を一目見た時、言葉がすっと入ってくる感覚がありつつ内容の理解が及ばなくて、なんだか混乱した。

早とちりで「手紙=あなた」とはどういうこと?と思っていたけれど、「〇〇=手紙のよう=あなたのよう」となるはず。
検索すると手紙とあなたという異質なものが同化しているという解釈や、あなたが眩しすぎて見れないという趣旨の解釈をしている人がいたりしたけれど前者は難しくてよくわからないし両者ともあんまり

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一首感想『簡単に想像していた 来年もこの番組に出ている我を』

俵万智は素直な言葉を素直に短歌に詠むところが好き。口語でストレートな言葉を使って表現するから共感できていつも素敵だと思う。
短歌を習い始めたら、すごいこねくり回して何を言いたかったか伝わらなかったり、感情があまり乗ってないのに走り出して面白みのない短歌ばかり作ってしまって、素直な気持ちをわかりやすく伝えることの難しさを感じた。
やっぱり素直な人って1番可愛いよね。
俵万智は恋愛の歌がすごく好き。私

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一首感想『病室は豆腐のような静けさで割れない窓が一つだけある』

キリンの子の1番初めの短歌。本を開いて1つ目がこれでびっくりした。まっすぐ意味をなぞると1つだけ窓のある静かな病室のことを詠んでいるのだろうか?

豆腐のような静けさってなんだろう。絹豆腐ってパックから出すと白くてつやんと型取られているから、なんだか人工的な感じがするということ?言われてみると豆腐って病室みたいな色している。それとも無機物ということ?数ある無機物の中から豆腐を取り合わせるところが面

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