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【詩】あるむかし話

これはまだこの碧い星が
ようやくかたちを成して
ひとりでまわりはじめたころ
遠い宙からもうひとつの蒼い星が
導かれたように飛んできて
はげしく触れ合ったことに
端を発する あるむかし話

その蒼星は原始の碧星よりも
大きくまた齢もとっていた
なによりめっぽう重かった
碧星のやわらかなはだえは
えぐられるように崩れ去り
きらきらと宇宙に散った
堅く厚い層を持った蒼星も
いくらか表面が削れてしまった

たがいに散った塵や塊は
引き合いぶつかり合い
混ざり合ってひっついて
いびつで小さな星々となり
みな若い碧星に向かって
無情にも堕ちていった
なすすべなくあるいは
天性の優しさか母性か
あたらしい隕石を受け入れた
碧星は嗚呼あわれにも
内に秘めたかがやきを
太陽のごときかがやきを
ひとつふたつと失って
老け込んだように一気に
みすぼらしくなってしまった

宇宙に散ったそのかがやきは
蒼星のつめたい重力に
抗うことなく導かれて
くるくると回りながら
まるでふたをするように
星全体をすっぽりと覆い
蒼星のあたらしい一部となった
かがやきをまとった蒼星は
故郷の銀河へ帰るべく
長い永い旅を再開した
あちこち穴の開いた
老けてしまった碧い星と
堕ちつづける無数の隕石を
暗い宇宙に残したまま

残された無数の隕石は
たがいに触れ合いながら
さらに数を増やして
いまや地球となった碧星を
打ち壊さんばかりの勢いで
いまでもまだ堕ち続けている
奴隷のような生活からは
すっかり解放されても
奴隷の記憶をもったまま
いまでもまだ堕ち続けている

これは語られざる物語
碧星と蒼星とのむかし話
地球とニビルのむかし話

ぼくたち地球人と
地球外からやってきた
アヌンナキのむかし話

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