【詩】ひとつの人生
必死で積み上げてきたものは
塔になるよりずっと以前に
墓石となって朽ちていきました
必死で守ってきたものは
奪われなくなった代わりに
存在ごと忘れ去られていきました
必死で抵抗してきたことは
革命を起こしたように見えて
喜劇のようなひとり相撲でした
必死で信じてきたことは
ただ期待してきたことで
結局のところなにも
信じてはいなかったのです
どこかでひずんでしまったのでしょう
どこかでゆがんでしまったのでしょう
気の毒ですね
気の毒ですね
気の毒ですね
でもそれもまた
ひとつの人生ですね
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