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「北越雪譜」を読む

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江戸時代後期の雪国の生活誌、鈴木牧之「北越雪譜」を、ゆっくり読んでいきます
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2023年9月の記事一覧

「北越雪譜」を読む:17

「北越雪譜」を読む:17

 鈴木牧之という人は、大変熱心で真面目な人柄だったと思われるが、一面、「空気が読めない」ところもあったのではないかと思う。あくまでも、「 」付きだが。
 頑固に一途に、40年も「北越雪譜」の出版を諦めず模索し続けた、その空気の読めなさが、結果的に夢を実現させたと言っても良いのではないだろうか。

…先年、玉山翁が出版された軍記物語の画本の中に、越後の雪中で戦ったという図がある。文には深雪とあって、

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「北越雪譜」を読む:16

「北越雪譜」を読む:16

 先日、NHKの朝ドラ「らんまん」を観ていたら、主人公・槙野万太郎の妻、すえ子が幼い長男に「ももき」と呼びかけていた。番組ホームページによれば、百喜と書くらしい。

 すえ子さんは、滝沢(曲亭)馬琴の大ファンで「南総里見八犬伝」が大好き、という設定だ。
 これはもしや、馬琴が弟子入りを断られたという山東京伝の、弟・山東京山の本名、岩瀬百樹から名をとり子に付けたのでは!?と思ったのだが、モデルとなっ

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