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「北越雪譜」を読む

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江戸時代後期の雪国の生活誌、鈴木牧之「北越雪譜」を、ゆっくり読んでいきます
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2023年3月の記事一覧

「北越雪譜」を読む:4

「北越雪譜」を読む:4

 なかなか具体的な内容に踏み込めないでいる…。

 牧之さんに叱られない程度に、暖国の地から、もう少し雪国のことを考えてみたい。



 鈴木牧之記念館を訪ねた時、私にはもう一つ立ち寄りたいところがあった。
 新潟県上越市高田にある、瞽女ミュージアム高田、という小さな博物館だ。

 ジェラルド・グローマー「瞽女うた」(岩波新書)を読んだのは、やはり「北越雪譜」を読んで雪国、越後、新潟というものに

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「北越雪譜」を読む:3

「北越雪譜」を読む:3

 ニューカレドニアに新婚旅行に行くという同僚に、機内で読む本のおすすめを聞かれたので、それはもう絶対に森村桂の「天国にいちばん近い島」でしょうとすすめたのだが、帰って来て感想を聞いたところ、最後に島の人とお別れしないといけない描写が悲しくて新婚旅行に合わなかった、と言われてしまったことがある。
 ちなみにもう一冊、読みやすいかなと思って、瀬尾まいこの「幸福な食卓」もおすすめしたが、これも悲しすぎた

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「北越雪譜」を読む:2

「北越雪譜」を読む:2

 自分には少し難しいかもしれない本を読む時、いきなり本文に取り掛からないで、外堀からじっくり攻めて行くことにしている。

 帯の惹句を読み、裏表紙のあらすじを読み、著者や訳者の略歴を読み、前書きを読み、目次に目を通し、後書きを読み、解説を読む。どれもざっと読む程度に。

 新刊なら、挟まっている「今月の新刊」みたいなペラにも目を通す。今から読む本がどう紹介されているか、それから、他の全く関係のない

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