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事件は会議室で起きているのか、現場で起きているのか。

映画「踊る大捜査線 THE MOVIE」にて主人公青島刑事が、犯人逮捕直前で決断を下せない上司や管理職に向けて放った名セリフ

「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!」

警察も会社組織と同じで刑事もサラリーマンという斬新な切り口で大ヒットした本作は私も大ファンです。

私がチーフマネージャーになり、任命時に前任者である上司から言われたのは、
「チーフになったら現場側の人間と距離をおきなさい」という指示でした。

理由として、現場側はお客様とスタッフの対応を行うが、
チーフマネージャーはクライアントの折衝や施設全体のイベント準備を行うなど、チームを超えた業務を行わなければならないこと。

又、組織全体の方向性を決めるわけだから、時に現場側と意にそぐわない指示を出さなければならない為、現場側の人間と距離を置いた方がいいからというものでした。

それを聞いた時に当時の私が心の中で叫んだのがこのセリフです。

「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!」

過去の記事でも記載しましたが、当時のチームは現場は大量に退職者が出るなど
課題が山積みでした。退職者の退職理由は人それぞれあるものの、やはり根本的な
理由の1つに組織運営が間違っているのではないかと思ったのです。

ではなぜ組織運営が間違っているのかと感じたのか、、

現場責任者(前任者)が現場に全く顔出さずに、
現場の問題を把握できていなかった。

と、アルバイトから入社して現場大好き「青島刑事」な当時の
私はそう思っておりました。実際、今振り返ってもそれが理由だと思っています。

ただ、今の私が組織崩壊の要因を振り返るなら、もうちょっと言葉を変えますね。

現場に出る出ないが問題ではなく、現場に耳を傾けていなかった。
もしくは現場に耳を傾けるアクションはしていたが、「傾けるフリ」をしていた。

振り返るなら、これが大きな要因だと思います。

「踊る大捜査線 THE MOVIE2」にて真矢みき演じる女性管理菅が
青島刑事にとある言葉を伝えます。

「事件はね、会議室で起きてるのよ」

管理側になると、現場側にはない見えない世界があります。
上司や会社の考え、クライアントの要望、利益向上、いわゆる大人の事情という
新世界。お客様と後輩達だけに全エネルギーを注ぐわけにはいかない。

前任者の言ってることは正しいです。
実際、施設の利用者数を仕組みを変えて5倍以上に増やしました。
そして急激に前任者は上からの評価を高めたのです。
しかし、そのツケは大きかった。

利用者数は増えたのに、要員は増えず。毎日疲弊する日々。
自分達のアイデアを出しながらサービスも提案し、お客様が喜ぶ数が増えるのは、
やりがいがあるものの、残業等も少しずつ増えて不満も増えていった。

チーフマネージャーになる前、現場側だった人間として、私の能力も未熟でした。
「新規採用が来ないんだから現場でなんとかするしかない、、、現場好きだし、、」ある意味、思考が「プレーヤー」だった。しかし、後輩達の不満は高まっていったことに気づかなかった。

中間管理職として耳を傾ける先が「上」に行き過ぎてもいけない。
「下」に行き過ぎてもいけないのだ。

当時はとにかく現場の子達に耳を傾ける姿勢を見せることが必要だと感じ、
その為に今行動できること、それはチーフマネージャーでも現場に出ることで
今までのやり方とは違うのだと伝えること。

現場に人がいなさすぎるんでサーセン!と上司を説得して
初めて自分の意見としてチーム運営を判断した瞬間でした。
私の耳を現場に比重を置く分、「上」への耳は上司の耳を少しお借りました。

実行した当時、他のチームからはチーフマネージャーが現場に出るのは何事だと
すごく言われましたが、どこも要員不足となった1年後には皆真似しておりましたけどね。。。

結果として、様々な対策から離職率も減り、1年後にウチのチームは要員が充足。
青島刑事だった私は現場との距離をおき、室井管理官として後輩達に現場を
任せる様にしました。

ただ、現場が大好きなので、時々接客しましたけどね(笑)

事件は現場でも会議室でも起きている。※但し中間管理職に限る!

これが今の私の考えですね。

現場に出るか出ないかではなく、現場に耳を傾けているか
その姿勢が後輩達に伝わっているか、常にリーダーは気にしておかないといけないと思っています。

少子化の時代、「上」だけを気にする時代はもう終わったのです。
耳を傾けるフリだけしても、すぐ相手は気づきますよ。

では、「耳を傾ける」ということはどう行動すればいいのか。
現場に出ればそれで解決というわけではなく、
あくまでもこれは耳を傾ける、手段の1つに過ぎません。

次回は具体的にお伝えしますね。
ご覧いただきありがとうございました。





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