永遠の生命が欲しい。進歩か破滅か
誰だって、永遠の生命が欲しいと願っている・・・
だから、旧い時代から、人間はいろいろな形で試みてきた・・・
秦の始皇帝の「不老不死」。道教への傾倒も然り・・・
卑弥呼も必死で「老化」を逃れようとしたと聞く・・・
キリスト教会も、錬金術で不死を求めた・・・
中国の煉丹術も同じことだ・・・
ハリー・ポッターの「賢者の石」も同じ・・・
ハリー・ポッター「賢者の石」と錬金術
ハリー・ポッターの映画の「賢者の石」で
近代化学が「魔法」という形で紹介され、
「こうありたい!」と願っている夢を表現しています。
錬金術は、「貴金属をつくること」です。
その過程で植物を組み合わせて進化したのが「薬学」です
錬金術は魔法術ですから、
物語が行きつくところが「賢者の石」で、死なない方法に行きつくのです。
ニュートンは「錬金術」にこだわった
ニュートンは、偉大な科学者・数学者であり、歴史上最高のIQの持ち主だといわれますが、「錬金術師」「オカルトの研究者」でもありました。
人間は、錫とか鉛とかいう「卑」金属を、「貴」金属に換える方法はないかと思います。ここでキーになるのが「錬金術」です。
「錬金術」がキリスト教会の中で発達しますね。
修道院の中で、実験を重ねて「貴金属をつくろう」という試みです。
修道院の中に「理科の実験室」が設けられていたのです。
修道士の中には、優秀な才能を持った人が沢山いましたから
実験器具の開発も錬金術の中で生まれました。仕事です。
金属に限らず、様々な物質・人間の魂・肉体を対象にした研究です。それを練成しようという試みですから、現在の「化学」の基礎になったのです。
修道士は祈りの他に、仕事をしていたのです。
ハリー・ポッターの中の魔法薬
ハリー・ポッターの中にも「生薬」の学習場面が出てきますね。
私はその中で「ポリジュース・ポーション」が面白いと思っています。
「変身生薬」です。
生薬づくりですから、製薬会社のようなものです。
イエズス会の宣教師たちは、このようなところで培ったノウハウを
伝導の手段の一つにして、世界中に散ったいったのです。
まさにEvangelistです。
日本に来た宣教師が、西洋薬学を伝えたのです。漢方薬以外です。
現代の植物学の実験です。
私は、ヤクの糞から「生薬」を造ろうとする専門家に付き合って
チベット高原に行ったことがあります。
チベット高原にのんびりと生息するヤクの糞を採取するのです。
その時は「何の役に立つか」と疑問に思いましたが、
大学で新薬を創ろうという友人は、一生懸命「糞を採取」をしていました。糞の中に含まれる微生物が目的だったのです。
大村智先生のノーベル賞も、土の中の微生物の発見からでしたね。
化学と魔法は表裏一体
錬金術から、科学的な方法で薬の研究・発展をさせたのは、
アントワーヌ・ラヴォアジェ(フランス)です。
彼は、著書の中で「33の元素」や「質量保存の原則」を発表しました。
近代化学の父といわれるラヴォアジエが、化学の基礎をつくったのです。
<チョット寄り道> 新型コロナウイルスに対抗できる治療薬はまだない
悲しいことに、知人が「コロナでなくなりました」(涙)
新型コロナウイルス(COVID-19)に効く「治療薬」がないからです。
mRNAは予防のためのもので治療薬ではありません。
最近、コロナが流行しています。
錬金術の試行錯誤の中で「硝酸」「硫酸」「塩酸」など、
現在の化学薬品の発見がありました。
また、その途上で、各種の実験用具が発明されました。
私は、現在行われている世界中の研究開発は、新型コロナウイルス対策にとどまらず、「新しい自然科学」を生み出すと思います。
秦の始皇帝も新薬の開発を求めた
中国の「煉丹術」(れんたん術)は、草や木を乾かしたものを擦ったり、混ぜ合わせたりして造りますが、
これは「漢方薬」として、私たちに馴染み深いですね。「生薬」です。
秦の始皇帝も、道教の「不老不死の薬」を求めたと『史記』にあります。
これは、ヨーロッパの錬金術と同じだといってよいでしょう。
いいかえると「賢者の石」と「不老長寿の薬」の根っこは同じです。
生薬の開発・・・根、茎、果実、葉などを調製加工
現在の新薬の「研究・開発」は、過去の実績を踏まえた応用が多いですね。
即効性が高いからでしょう。
例えば、エボラ出血熱に有効な薬からの転用した「レムデシビル」です。
最近、認可されましたね。
また、日本の研究チームによる「アビガン」も注目されています。
世界中の知見を結集して「信頼できる新薬」が欲しいです
<チョット寄り道> コロナウイルス(RNA)は根絶できない。
専門家によれば、私たちは,200種類以上の多種多様のウイルスの中で生活しています。
風邪を引き起こすといわれるライノウイルスなどです。
だからコロナウイルスを完全に根絶することはできないのだそうです。
DNAに比べて、リボ核酸(RNA)は変化しやすい特性を持つために、
RNAを遺伝子に持つウイルスは、特にいろいろ変異するのだそうです。
だからいくつもの「変異」ができたのですね。
私がかかったコロナも変異したものでした。
私は北里大の大村智先生が自然界から「生物学的製剤の研究」を成果に繋げたように、自然界の自浄作用に期待しています。
現代はまさに魔法界そのもの
新型コロナウイルス(COVID-19)は、「魔法界のウイルス」のようです。
また、人工知能(AI)や遺伝子操作は、不可能を可能にし、
見えないものをみえるようにしていますから、「魔法界」と「現実界」の境界がなくなってきたように思います。
「魔法が魔法ではではなくなっていく」のです。
旧約聖書の創世記では、神様は「知恵の実」を食べた人間を、
もう1つの禁断の「生命の木」から遠ざけるために、
人間のアダムとイブを「エデンの園」から追放したと記しています。
生成AIは、「生命の木」まで、手が届くように開発を進めています。
サタンの手が伸びていることを善とする「開発優先」の手は
止まることをやめません。止まらないでしょう!!
人間は「知恵の力」で科学を発展させ、
「生命の木=賢者の石」に手が届くところまで来てしまいました。
中国の学者が「猿のクローン」の創出に成功し、生命倫理の立場から議論が巻き起こりましたね。
猿から人間へ。科学を倫理から切り離して考えると、大変危険なことになります。新型コロナウイルスは、この厳しい現実を突きつけていますね。
<チョット寄り道>
古代ギリシャ・ヘレニズム時代は、高度の科学が発達していました。
特に、エジプトのアレクサンドリアにあった「王立図書館」には、70万冊の蔵書と共に、世界の科学者が集まっていたようです。
しかし、アルキメデスやプトレマイオスらが集まった、研究センターの「ムセイオン」がなくなると、科学の殿堂が再興されることはなかったのです。宗教が科学の発展を抑えたからです。
その後、 古代ギリシャの科学は、イスラムの世界で保存され、
イブン・スィーナーのような偉大な学者を輩出し、イベリア半島を経由してヨーロッパに輸入されました。
医学の発展の基礎になった『医学典範』は、イブン・スイーナの著作です。そして、地中海に接するイタリア・ルネサンスと続くのです。
「賢者の石」は、人間が永遠に生きることができる「生命の石」を創造することでした。
これをどのように考えるか・・・?人類の未来がかかっています。
私は、老人性虚無症(ニヒリズム」に侵されながら、
Noteを通して「警告」を発しているつもりですが、
アメリカ・中国の国家戦略と企業利益の前に
「立往生」せざるを得ないです。人類の未来を嘆く預言者のようです。
ハリー・ポターの映画では、「賢者の石」は放棄されましたが、
現実は、物語以上の迫力です。