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赤穂城断絶(1978)

赤穂城断絶(1978、東映、160分)
●監督:深作欣二
●出演:萬屋錦之介、千葉真一、松方弘樹、西郷輝彦、渡瀬恒彦、近藤正臣、原田美枝子、森田健作、田村亮、丹波哲郎、若林豪、江波杏子、藤岡琢也、金子信雄、芦田伸介、三田佳子、岡田茉莉子、三船敏郎

江戸城松の廊下、浅野内匠頭が吉良上野介に切りつける有名なシーンから映画は始まる。

深作監督ということで忠臣蔵をヤクザ映画という解釈で作ったのかと期待したが割とまっとうな時代劇という感じだった。

言ってみれば頭をやられた報復で敵の組に乗り込むってことなんで構図的には実録ヤクザ路線のほうが断然映画としては映えるのになあと思う。

実際、吉良は確かに嫌な奴だが殺されても仕方ないってほど極悪には描かれていない。

いきなり浅野が切りつける場面から始まるので、この映画の中からはそれまでの経緯はわからない。

国民みんなが知ってるストーリーだから省略したって一面もあると思うが、浅野が刃傷に至るまでの理由・背景をあえてハッキリ描かないことで、美談になりすぎないようにしたのではないかと思う。

仮に忠臣蔵を知らない若者や外国人が見たとき、「え?なんで突然この人切りつけたの?頭おかしいの?」となることは間違いないだろう。


討ち入りのシーンで、屋敷が真っ暗なので浪士たちが奉公人を急き立ててろうそくを出させ、灯りを点してから斬り合いに戻るあたりのディテールが良い(ろうそくを刀で切り消した座頭市の逆)。

カメラワークも斜めに動き回ったり、当然だが戦闘中は台詞もほとんどなくスピーディーに展開する。

映画自体も長い作品だが、スピーディーに進むのが良い。

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