フーリガン(2005🇬🇧)
原題: GREEN STREET HOOLIGANS(2005、イギリス=アメリカ、109分)
●監督:レクシー・アレクサンダー
●出演:イライジャ・ウッド、チャーリー・ハナム、クレア・フォーラニ、マーク・ウォーレン、レオ・グレゴリー、ピーター・ヒアー、ロス・マッコール、レイフ・スポール、ジェフ・ベル、キーラン・ビュー
『フットボール・ファクトリー』と似たテーマだがこちらは主人公がアメリカ人の若者(イライジャ・ウッド)ということで部外者からの視点が設定されていて、ドラマの雰囲気もドライな感じではなくウェット寄り。
ところどころでアメリカ人をヤンクと呼んで揶揄する場面があるが、マット(イライジャ・ウッド)とピート(チャーリー・ハナム)の最初の出会いのシーンでは当時のイラク戦争の情勢とからめて「アメリカは自分で戦争始めてイギリスに助け求めて、それでたくさんの兵士を死なせやがってよう」というようなことを言っている。
映画の構造としても、結果的にアメリカ人であるマットがフーリガングループに入ったせいでその後の悲惨な出来事が起きてしまったという見方もできる。
彼らが応援しているのはシャボン玉のチャントでおなじみのウェスト・ハム。
映画内でもアップトン・パーク(当時)での試合の映像が時折挿入され迫力がある。
変なところでストーン・ローゼズの曲が流れるのは気になった。
ストーン・アイランドやベン・シャーマンなどのファッションはかっこいいが、暴力集団であるフーリガンにはちょっと感情移入はできない。
それでも美化することはなく負の側面も描いているし、フットボールをサッカーと呼ぶアメリカ人、フーリガン仲間たち、敵対するチームのフーリガン、フーリガンから足を洗った人、彼らの家族など色々な視点があるので、なぜ彼らが暴力に走るのかを深く追求したテーマにしても良かったんじゃないかなと思った。