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自分を取り戻す旅【ぺん's グレイト ジャーニー 第2章 ~ぺん、「母性」を渇望する】


20代後半で付き合った彼は、とにかく優しかった。なんでもしてくれた。

お金はなかったが、いつでも電話に出てくれ、どこにいても来てくれ、掃除洗濯もしてくれ、肩は揉んでくれ、もう至れり尽くせり。

彼が持てる全ての愛を私に注いでくれた。

私は、20代から30代前半にかけて感情の起伏が激しく(今では、それがHSP気質、憑依体質、同調体質から来ていたと分かるが)、彼にはずいぶん迷惑をかけた。

それでも嫌な顔一つせず、私に寄り添ってくれた。6年間も。

でも、彼が私を愛してくれればくれるほど、私は「愛」を求めた。「愛があるなら、私の言うことを聞いて!もっと!もっと!」と。

同時に、彼に対する性的な関心はなくなり、触られるのも嫌になった。

そんな関係に疲弊し、ある日、私は発狂した。

そして、気づいた。

「彼は私の母だ!!」

そう、私は母の愛を求めていた。
「母性」を味わう体験をしたかったのだ。

彼は「母性」そのものだった。
私は十分に味わい、満足し、彼と別れた。

その後、彼はひと回り以上、年上の包み込むような女性と結婚した。今度は彼が受け取る番。

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