小春

2004年生まれ。中学生の頃から書評連載を始める。カンコー委員会1、3期生として制服の…

小春

2004年生まれ。中学生の頃から書評連載を始める。カンコー委員会1、3期生として制服の商品開発やモデルを行うなど本のフィールドを中心に幅広く活動している。ミスiD2021本と女優賞。本と空とアイドルが好き。

最近の記事

落ち着く劣等感

ダンスの発表会の時の話。 立ち位置はいつも2列目だった。2列目の端は居心地がいい。上手い人に触発されて動けるようになって、鏡を見なくとも周りを見ることができる。 私はダンスを小学1年生の冬に習い始めた。最初はダンスアンドボーカルグループなるもの、Perfumeみたいなグループの一員になるぞと夢を持って踊っていた。運動が全く出来ない割にはダンスは踊れる方で、小学6年生の発表会ではセンターもやった。夢を叶えて、踊るということが週に一回の運動目的になった今。教室の中でのダンス歴

    • 20歳、思ったより生きられてるよ

      20歳になってからほぼ半月が経った。あんなに20代になることが怖かったのに普通に生きてしまっていることが怖い。 なんで怖かったのかっていうのは、脆さとか危うさとかそういう弱い部分が無くなってしまわないかということ、そういう敏感で繊細な部分が丸く強くなって、いつの日か夢を見ることを忘れてしまうことが怖かったから。 でももうその恐怖が現実に迫っている気がするだって前までの私は繊細で弱いけどその分ちゃんといろんな物事を諦めずに思考出来ていた。私はもっと小さなことで悩んで泣きたく

      • 涙の理由とゴーストワールド

        年末の話。 ここ数週間、やること多くて、学校楽しくて充実してるはずなのに疲れが取れなくて体調ずっと悪くて家帰った途端体が鉛のようになることが多かった。次第には先週、帰りの道中どんどん"私なんか"モードになって好きなアイドルの歌もうるさく感じてしまった。泣きたくても泣けなくてストレス発散のアイテム、シュークリームを頬張った。こういう時のお守りの歌は大森靖子さんの歌だ。ひたすらお守りを聴いてた2時間の帰宅時間を過ごしていた。「非国民ヒーロー」 家に帰って、なんでこんなに辛くな

        • 何をしてきて、何になりたかったのか、そして何になりたいのか

            大学三年生になった。この頃、バイトと大学生をひたすらしていて時が過ぎていっていた。 「就活をしている姿が想像できない」 高校生の時にこう思い悩んでミスiDに応募して4年くらい経ち、就活が現実的に身に降り注いできた時期になった。今まで何をしてきて、何になりたかったのか、そして何になりたいのか。就活サイトからダウンロードした自己分析シートに何も書けない日々が続いた。セミナーに行っても心のモヤが晴れない理由はわかっている。今までやってきたこと、本当はなりたかったもの、今なり

        落ち着く劣等感

          「好きなもの、ずっと好きでいさせて」

          「好きなもの、ずっと好きでいさせて」

          私のこと好きって言ってくれる人はこの世界にどれくらいいるのだろう。生きていて欲しいって思ってくれる人はどれくらいいるのだろう。そう思いながら死に時を決めてる。あの時からずっと

          私のこと好きって言ってくれる人はこの世界にどれくらいいるのだろう。生きていて欲しいって思ってくれる人はどれくらいいるのだろう。そう思いながら死に時を決めてる。あの時からずっと

          「ひらいて」に込めるいのり

           この本が原作の映画を観たくて、でも逃してしまって本だけでもと借りた。 「ひらいて」という言葉は彼女の祈りのように私は思えた。「こころをひらく」という言葉が真っ先に思い浮かんだ。誰かにこころ開くって難しくて、開いてもらうのも難しくって、上手くいかなくて。特に引用したこの言葉は、痛々しくて、でも痛々しいくらいにわかって、でもわかることではどうにもならなくて、私を魅了した。泣きたいんだけど涙が出なくてずっと泣きたいくらいの気持ちが喉に詰まって窒息死しそうなくらい苦しくなる。それ

          「ひらいて」に込めるいのり

          『零落』

           この日は、たまたま午前の授業が休講になって次の授業までに3時間ほど空きができたので思い立って観に行った作品だ。  正直、この頃疲れていて暗い話を観れるか不安だったが、浅野いにお×竹中直人は観たいなと決断したらダッシュでチケットを買いに行った。  竹中直人監督の作品の長編は初めてだった。以前母がポスターを部屋に飾るほど竹中監督の大ファンで、『ゾッキ』は観たことがあった。  こんなにどんどん堕ちていく、暗いストーリー展開なのに、映像が魅惑的に美しい。ネオン電光の夜、海の景色、切

          『零落』

          『四月物語』

           岩井俊二監督の作品を好きになったのは、母に連れられて『リップヴァンウィンクルの花嫁』を観に行ったことがきっかけだった。確か12歳の時だった。  最初は何の話なのか頭の中でまとまりがつかなかったのだが、ずっと七海と真白の二人のドレス姿が頭から離れなかった。授業中も、ドラマを観ている時も、本を読んでいる時も、常に2人の姿が私の中にいた。それが嫌じゃなくて、初めて自分の好きなものを得られた気がしたのだ。私はこの感情と出会ってから、私の好きなものはこれだ、守らなくちゃいけないものだ

          『四月物語』

          『宝飾時計』観て演劇が好きになった話

          1/26 根本さんの「宝飾時計」を観に行った。 演劇は、友達の出ていた地元のやつと、学校で行かされたよくわからないやつしか行ったことがなくて、自由だとか仲間だとか、どっちも私にとってはなんだかくさくて演劇に苦手意識を持っていた。 それでも観たいと思ったのは、①伊藤万理華ちゃんが好きで、万理華ちゃんの個展での根元さんの当て書きが好きすぎて好きという言葉で脳内がいっぱいになったこと②YouTubeで観たもっと『大いなる愛の先へ』を観て、演劇ってこんなにといいんだ、これを生で見ら

          『宝飾時計』観て演劇が好きになった話