Photo by aoneko 【詩】うつろい 5 黒羽カラス 2023年8月28日 09:41 夜明け前に鳴いていたヒグラシがいなくなった 朝になってもセミの声が聞こえない 重々しい窓を開けた 網戸にして顔を近づける トマトの葉の匂いが鼻をくすぐった 目の前をクロアゲハが横切る 顔を寄せて目で追う 静かに一変した 網戸に区切られた個々が集まって 色鮮やかな世界が構築されていた ドットの寄せ集め 自然を装った不自然が際立つ ゲームのような世界 僕は網戸に指を引っ掛け 思いっきりスライドさせた 飛び出すと世界は繋がった 懐かしいセミの声が蘇る リセットできない世界は美しく 目の中で淡く滲んだ ダウンロード copy #詩 #ポエム #世界 #季節 #トマト #ドット #網戸 #クロアゲハ 5 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート