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#私の最愛海外文学10選 をやってみる

Twitter(X)で流れてきたタグで、#私の最愛海外文学10選 というお題を見つけたのでやってみる事にします
今年読んだ本から5冊、以前読んだ本から5冊、選びました



テッド・チャン 『あなたの人生の物語』 

Twitterにもnoteでも、感想を上げさせてもらった作品です
テッド・チャン氏は『息吹』も今年読み、そちらも素晴らしい作品集でしたが、こちらの作品は今年の5月末に入院中に読み、それがあまりにも面白くて開腹手術を受ける前日の夜中にあわてて感想を書いたのが思い出深いです
表題作が素晴らしいのは言うまでもないのですが、『顔の美醜について』が改めてしみじみ好きだなあと感じます

グレッグ・イーガン 『しあわせの理由』

記念すべき初グレッグ・イーガン読了本になったために上げました
読みやすい、面白い、癖になる! の三拍子揃った傑作短編集です
一読後は冒頭の『適切な愛』がたまらんほど好きだし、今も大好きですが、やはり表題作の『しあわせの理由』の素晴らしさは格別だとも、改めて思っています
というのも、先日読んだグレッグ・イーガンの新作中編の『堅実性』が題材は違えど、この『しあわせの理由』の主人公の事を思い出す内容に感じたからです
苦難の中にあってもへこたれず己を律して腐らずにいようと頑張る人物像に、胸を打たれるからです
グレッグ・イーガンさんは、ハードSFの作家と言われ、事実そうなんですが、書かれている事は魂を燃やし生き抜こうとする存在の尊さである、熱さがそこにある作家さんだと感じてます

スタニスワフ・レム 『ソラリス』

『ソラリス』も今年の入院中に読みました
面白くて療養がうまくいった気さえします
難解なところが多々あるにも関わらず、沼野充義氏の訳文と、副読本として用意してたNHKの100分de名著のテキストが心地よい読み心地で…
難解だし理解が出来ない、相互で意志の疎通も出来ない、そういうものと対峙する話なのに、拒否や拒絶の感覚が無く目から脳にスルスル入ってきて受け入れられる、とても不思議な気持ちよさがある作品でした
それがどこか怖い、でも心地よくて止められない、『ソラリス』でしか感じなかった未知の体験でした

スタインベック 『スタインベック短編集』

アメリカ近代文学の巨匠の傑作ながら未読だったのを、身構えて読んだのですがめちゃくちゃ面白くて、かつ個性的で、話のバリエーションもとても広くて、また収録されている話数も多く、ひとつひとつはごく短い編ばかりなのに読了感がガツンと重くて、すごく疲れたし感想を書くのも大変でした
しかし、ぜひ他の読者さんと話をしてみたくなる作品でもありました
きっと推し話は人によって違うんだろうなあ
自分の最推し話は『聖処女ケティ』です

サラ・ピンスカー 『いずれすべては海の中に』

さっき読み終わりたてほやほやのSF短編集です
装丁が実に美しく、短編の各タイトルも美しい、目に楽しく穏やかで癒されるお洒落の短編集…と思いきや!
ゴリゴリの癖強さのある話ばかりで、怪奇小説もあれば、ハードSFもあり、叙情的な恋愛譚もあれば、ロードムービー&ヒーロー物もあったりして、めちゃくちゃ腕の立つよろず屋さんみたいな短編集だったんです
こちらのサラ・ピンスカー氏はミュージシャンでもあり、作中でも音楽に関わる登場人物が多くいるところも楽しかったです

ここからの5冊は、昨年以前に読んだ推し本になります

クトゥルーゲームブック 『暗黒教団の陰謀~輝くトラペゾヘドロン』


こちらはクトゥルフものに初めて触れるきっかけになったゲームブックで、たしか読んだのは義務教育期間中でした
とにかく難易度が高く、当時はまともにクリアができなかった記憶がありますが、すごく好きな作品です
深淵に見つけられたら、人はもうなす術など持たぬのだ
しかし、深く寄り添い帰依すれば地球とはまったく異なる高次の世への道も開かれるのだ! ということを知りました ほんとやべえゲームブックです またやりたくなってきました

アイザック・アシモフ 『はだかの太陽』

人間の刑事とロボットがバディとなって事件を解決する『鋼鉄都市』の続編ですが
『鋼鉄都市』も大変面白いのですが、さらにそこからキャラクターの掘り下げもされて、よりSFしてる舞台設定での犯罪捜査をする話で、こちらはより好きなので上げました
高度に発展しすぎた惑星の環境と、なかなかのラブロマンスのバランスが素敵な作品でした

アンディ・ウィアー 『火星の人』

今年読んだ『プロジェクト・ヘイル・メアリー』や同作者さんの『アルテミス』とも迷ったのですが、やはり『火星の人』の初読の衝撃は大きかったし、アンディ・ウィアー氏の伝説のはじまりだし、特別な作品だと思うので、上げました
映画もほんとに面白くて、ジャガイモが食べたくなるし、ディスコミュージックが聞きたくなるんです
そして主人公を応援したくてたまらなくなるんです!

P・D・ジェイムズ 『女には向かない職業』

現在は、やや強めにSF寄りの読書をしていますが、元々本読みはミステリを多くやっていました
この作品は好きすぎて何度も読み返しています
主人公のコーデリアの魅力は様々な要素があり、意志の強さ、頭脳の明晰さ、調査に取り組む手腕の丁寧さ、立ち働くのを惜しまない勤勉さ、そして何よりも探偵という人のダーティな部分に触れなければいけない中での、まばゆいばかりの高潔で清廉な魂のありかたが素晴らしい探偵なのです

シェイクスピア 『ヴェニスの商人』

『女には向かない職業』の流れなら『リア王』を上げるべきかも知んないのですが、どーしても『ヴェニスの商人』が好きすぎるので上げました
シェイクスピア戯曲の中でも、歴史の中でのこの作品の登場人物の取り扱いの変遷も含めて、面白くて大好きです
アル・パチーノの映画も好きだし、『ガラスの仮面』の作中での亜弓さんの解説も大好きですね!

という訳で、 #私の最愛海外文学10選 でした
コナン・ドイルやクリスティやアーサー・C・クラークを入れなくていいのか
ゲームブックであればイアン・リビングストンを入れるべきではないのか
そう思っちゃうときりがないので、まずは今年の5冊から選んであとは勢いで選定、という手法でやりました
(あとは、記事ヘッダー写真用に紙の本で持っててすぐに見つけられたもの、という選び方でもある)
来年にまた考えたらきっと、変わっているとも思います
どんどん新しく読んで、いい意味でこの10選を変えられる年にしたいと、早めに来年の抱負っぽく宣言しておきます
📚️📚️Ψ(👹)Ψケケケ📚️📚️


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