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小説:剣と弓と本006「ライの手紙」

【ライ】

『さえずり』での一件の後、食堂『ひぐれ』へ行き、セドさん、ナスノさんとともに夕食を摂った。
 それにしても面白い二人だ。
 しかし、ナスノさん。彼は本当にユニークな人ですね。僕にだけ耳打ちしてくれたことは、絶対にセドさんには伝えないことにしましょう。

 さて、今日も手紙を書くぞ。一日の締めくくりは記術。これが記術士たるものの使命ですから。

先生へ
 お元気ですか。僕はずっと元気です。

 ここに来て、剣術士のセドさん、見た目弓術士きゅうじゅつしのナスノさんと出会うことができました。無論僕は戦闘系ではありませんからね。冒険をしていく上でかけがえの無い二人です。

 さて、ダンジョンのミッションに取り掛かりたいところですが、今のまま突入しても攻略失敗どころか、命を落としかねないと判断しており、このことは二人とも共有済みです。
 そこで当面の目的は個々人の能力強化ということになります。
 まずは『静かの森』へ行き、希少鉱石『ヴァイヒハイト』を入手したいところです。先生、驚くべきことに図鑑にも載っていない希少鉱石なんですよ。ワクワクしますよね! 図鑑に載ってないのに何で名前が分かるか? 『さえずり』で聞き込み調査したんですよ。
 噂では、木よりも軽く、鉄より頑丈らしいんです。この鉱石があれば、武具が飛躍的に強化されることでしょう。何としても手に入れたい。 ……ええ、わかってますって。自分の好奇心は程々に。戦力アップが第一ですよね。

 あと、報告があります。驚くべきことにセドさん。『獅子の石像』の問いを無視したらしいんですよ。あの問いを解かずに山と砂漠をまともに歩いてここまで来たらしいんですよ。どうなってるんですか、あの人の肉体は! あの問いに取り組んで隠しルートを使う。それでようやくこの集落に来られるはずなんです。僕は何とか全問正解して最短ルートを利用できました。ええ、僕の体力ではそれしか方法は無かったと言えます。

 まだセドさんの話が残っています。ここの井戸水をがぶ飲みしたらしいんです。あのオオトゲサソリモドキの毒が混入しているにも関わらずですよ。それでも毒耐性があるようで、何ともないそうです。信じられます?
 詳しくはまだ聞けていないのですが、セドさん、幼い頃から虫を食べて生きていたらしいんです。おそらくそれにより免疫がついたものと僕は考察しています。
 セドさんの肉体については、これからも調査をしたいところです。
 今日はここまでにします。
 それでは、また書きます。

〜 Reiben Denismerpa 〜


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