小説:普通日記
先日の日記を転記しておくことにします。
新宿東口のご存じ、シアターバゲットにて、映画『アボカドの決意』を観覧してきました。
天気予報では、夕方からチゴイネルワイゼンになるとのことなので、僕はミジンコに変身するのと同じ要領で、ブルドッグになれるよう調整しておきました。
朝食はもちろん春巻きです。遅刻しないように中身だけを食べました。しかしながら、モナド論的には御法度らしいのです。何せ窓がないってことですからね。
右足のくるぶし付近に時々出現する金属とセラミックスのハイブリット立方体こと『47号』と駅前で待ち合わせをする予定でした。
しかし、彼は当日朝、現実病に冒されて、右半身が肉球のようになったとの報せが入りました。やむを得ず欠席。代わりとして、オオサンショウウオの『95号』が来ることになり、ことなきを得ました。
いよいよ開演です。『アボカドの決意』についてネタバレにならない範囲で書きますね。
ジェットコースターに乗った何かの競技の男子選手が、純喫茶のコルクのコースターの裏に隠れた何かの競技の女子選手に恋をするストーリーです。そうです、ラブストーリーに違いないのです。ただ、随所のエピソードは、100歳を超えるネットアイドルに憧れる30歳のネットアイドルの述懐。カマキリとクワガタムシの格闘シーン。そして、ゴム跳びに熱中し過ぎてマーガリンになる小学生達。そんなシーンが繰り出され、まさに、世界的巨匠の『壁楽・ドルフィンキックでしびれてみたいな・実里』のテイスト満載でした。
観客の半数は、本来の姿からゆっくりとマルチーズに変貌していました。残りの半数は、ハルバードなる物騒な武器に変容していました。
そして、そのことを皆大喜びしていたのです。
いつもどうもありがとうございます。