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妖怪はいるのかもしれない

いわゆる“魔物”のような存在としての妖怪は存在しない。
そういった、結論を出している人は多いように思っている。
(実際どうなのかは知らない。)

  • 動物の変種(アルビノなど)

  • 自然現象が身体に及ぼす影響(ダルなど)

  • 戒めを込めた語られる作り話

etc… etc…

だがワタシは「妖怪と呼ばれるような存在は実際にいるのかもしれない」
そう、思っている。

盗み聞き

今から10年以上前の話。
当時、ワタシは20代半ばあたりだったと思う。
もちろん、今みたいに不思議な話など集めていなかった時の話だ。

あれはたしか、大阪の梅田という場所にある某ハンバーガーショップの2階。
ワタシは少し遅めの夕食をとることにした。

ボーっと考えごとをしながら食べていると、背後に座った二人組の女性の会話が耳に入ってきた。
なにやら少しおかしな話で盛り上がっていたので、興味がわいて聞き耳を立ててしまった。

「なんか最近よくわからへんもん見てさ、小さいおっさんみたいなん」

「小さいおっさんって、こんくらいの、ホンマにちっちゃいやつ?」

「そうそう。それのタマゴバージョン」

タマゴバージョンの小さいおっさん?どういうことだろう?

「タマゴに足だけ生えたみたいなんが、部屋の端っこをタタタターって走ってどっかいってん」

「何それー!!」

“タマゴに足が生えたナニカ”
それを聞いた瞬間、驚きでワタシの時間が少しだけ止まった。

以前にも、その存在の話を聞いたことがあったからだ。

姉妹が見たナニカ

20代前半の頃、地元でよく遊んでいた姉妹がいる。

ワタシは和歌山県の出身で、ただでさえ自然が多い(田舎)ところなのだが、その姉妹はさらに山手の方に住んでいた。

ある時、その姉妹と宇宙などの不思議な話に花咲かせたことがある。
その会話の流れで話題がオカルト的な話になった。

「小さい頃、変なもん見たことあるで。おねぇちゃんも見たよな」

「あったなー」

すごく興味深い。食い気味に詳細を求めた。

「夜、家の裏の方やったっけ?何かほわぁって光ってるもんがあったんよ。何やろー思って、おねぇちゃんと見にいったら、大っきいタマゴみたいなんが光っててん」

田舎の夜は驚くほど暗い。
久しぶりに実家に帰るたびに「こんなに暗かったっけ!?」と毎回驚く。
その姉妹の家は山手にあったので、さらに暗い。

その真っ暗闇のなかに、うっすらと光る大きめのタマゴがあったという。

「そんで、もっと近くに寄ってみたら、そのタマゴって足がついててあぐらかいてるんがわかったんよ。後ろ向きに座ってた。
二人でコレ何やろ?って見てたらあぐらかいたまま、スーって、私らの目線ぐらいのとこまで浮かんできて、くるーって回転して正面向いたんやけど、結局、顔なくて足生えたタマゴだったなぁ。光ってたけど」

この奇妙な光景に姉妹そろって出くわしたというのだ。

よく遊んでいたからわかるのだが、突拍子もないことをいって注目をあびたいようなタイプの人ではないし、本当にあったことを話てくれていると思った。

奇妙な一致

この別々の場所で聞いた、タマゴに足が生えたナニカ

どちらか一方を聞いただけなら「そういう面白い話もあるんだなぁ」と、信じてはいるんだけどどこかおとぎ話を聞くような感覚で終わると思う。

だが、この話は別々の場所で同じような奇妙な話。
そして、一方の話では二人が同じ光景を見ている。

そうなると、その奇妙な存在に対しての信憑性はグッと高まった。

事実は小説よりも奇なりとは言ったものだが、
本当にそうだなと心から思った出来事でした。

この記事を書くにあたって調べてみた

実はこれら二つの話を聞いた後、きちんと調べたことがなかったのだが、今こうして、この記事を書きながらふと調べてみたところ面白い情報がみつかった。

卵鬼神(タルギャルキシン)
韓国に、日本で言う口裂け女ぐらいの代表的妖怪としているらしい。

体の形はタマゴで細い足がついている。
ワタシはいまいち上手くイメージできていないのだが、頭と足とが上下逆さまになっていて、頭の部分が床をトントントンと叩きながら歩くらしい。

卵鬼神は、結婚しないで死んだ女が鬼神となったものだと言われているそうだ。

ワタシが聞いたお話と同じかどうかは判断しにくいが、タマゴのかたちをした足のある妖怪という点では一致している。

まだまだ調べがいがある。
そう思いながらこの記事の筆をおきたいと思う。


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