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隔離生活日記@モントットーネ⑧ フェーズ2-13日目

5月4日に始まった感染症対策フェーズ2、ロックダウンの緩和段階、13日目です。散歩にもジョギングにも行けるようにもなり、運動不足から来るストレスもありがたいことにだいぶん解消されました。今日は2ヶ月ぶりにバイクにも乗りました。イエイ!

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ロックダウン緩和または解除、と言われると、なんだか「終わった」「これで自由だ」という響きがあって、実際、イタリア人にもそのあたりを勘違いしている人が結構いるのではないかと思います。ソーシャルディスタンス(社会的距離)保持の義務は続きます。それだけか、と思われるかもしれませんがこれが実生活上も精神的にも、案外と影響が大きいです。なのでとりあえず「隔離生活日記」のタイトルもそのままとします。

最近、朝日新聞のネットメディア『&Travel』の依頼を受けてこんな記事を書きました。

ここで5月18日からすべての商店が再開、6月1日からレストラン・バール・理髪店・美容院が再開すると書きましたが、また新しい法令(5月16日暫定措置令)ができ、レストラン・バール・理髪店・美容院も18日から全国で再開することになりました(トスカーナとピエモンテのみ7日間、自主的に遅らせるそうです)。

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新しいルールが2020/05/16付けのトリノの新聞『ラ・スタンパ』に18日(月)から何が変わるのか簡単にまとめられていましたので、ざっと訳してみます。

1 外出理由自主申告書は州内の移動であれば不要。州の外に仕事・健康上の理由で出る時は必要。
2 セカンドハウス。自分の居住地と同じ州内にある場合に限り、行くことができる。
3 バール・レストラン。テーブル間の距離は1m以上に保つこと。それが無理な場合は仕切りパネルを設けること。レストランの入店は予約限定。電子マネー払いが望ましい(2020/05/18追記。現金払い「禁止」ではない模様です)。メニューはアプリ・タブレット・黒板を使用すること。
4 商店。ソーシャルディスタンス1m保持。客・店員ともマスク義務。入口に消毒ジェルを置くこと。商品に触れる必要のある客は手袋をすること。入店と退店は交互に行うこと。毎日店内を消毒すること。
5 美容院・理髪店。入店は予約限定。理容師は手袋・マスクFpp2と保護バイザー着用。客はマスク着用。雑誌・新聞は置かないこと。
6 ビーチ。ベッドとパラソルを置くスペースは10㎡区切り。パラソルとパラソルの間隔は3m(横方向)、各列の間隔は3.5m(縦方向)。ベッドとベッドの間隔は1.5m。
7 ジムとプールの再開は5/25より。ただしヴェネト州は18日より自主的に再開。映画館・劇場は6/15から再開。屋外でもデモはまだ禁止(2020/05/18追記。デモの権利は認められると今朝のラジオでは言っていたかもしれません。未確認ですが)
8 罰則 自分の州から正当な理由なく出ると400〜3000ユーロの罰金。

こんな感じです。このリストにはありませんが、友人の訪問もできるようになります。ただし家にあがって食事をするといったことは許可されていません。

(2020/05/18追記。在イタリア日本大使館からこんなニュースメールが来ましたので今回の規制緩和についてご参考にしてください)

●5月16日緊急政令第33号の実施規定である5月17日首相令が官報に掲載されました。本首相令は,5月18日から6月14日まで適用されます。
同首相令の概要をまとめたもの(抄訳)を在イタリア日本国大使館のホームページに掲載しましたので,参考にして下さい


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さらに6月3日にはついに別の州への移動もできるようになりますが、これも感染状況によってまたいつでも変化しうるとのことです。やはり3日に外国との行き来もできるようになりますが、今のところEU各国・シェンゲンエリアのみとなっています。

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でも、親としては子どもたちが自由に友だちと遊べるようになるまでは、つまり、ソーシャルディスタンスが必要なあいだは、「これで自由だ!」という完全な解放感はないかもしれません。するとワクチンができるまでは、もしくは抗体検査をみんなが受けるまで、というようなことになってしまいますが、9月に学校が再開されたら、規制もなし崩しになってしまうかなという気もします。すでにその兆しもありますし。油断は禁物です。ジョルダーノ式に言えば、これからは「忍耐の段階」なのでしょう。下手な期待はしない、コロナの時代の処世術です。

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おかげさまで大好評の『コロナの日々の僕ら』はこちらのリンクからお買い求めいただけると、貧しい翻訳者の懐にエスプレッソコーヒーにして1/2〜1杯分相当のお小遣いが転がりこむようです。

同じパオロ・ジョルダーノの、やはり僕が訳しましたベストセラー小説『素数たちの孤独』はこちらです。この作品についてはまた何か書いてみようかな。イタリア語で読んで、文体に惹かれたのは初めての体験だったかも。

ここ3年ばかりはこちらの大作と取り組んできました。『ナポリの物語』4部作の第1巻『リラとわたし』です。第4巻『失われた女の子』は、2020年度日本翻訳大賞の最終選考に残っています。頑張れ。


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