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綾辻行人さん推薦全文公開ーー『その殺人、本格ミステリに仕立てます。』(片岡翔・著)7月21日発売!

映画監督・脚本家として活躍される、片岡翔さんの新刊『その殺人、本格ミステリに仕立てます。』が、7月21日(木)に発売されました。

作家の綾辻行人さんに頂いた推薦全文を、特別にご紹介します。


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『その殺人、本格ミステリに仕立てます。』に寄せて
――綾辻行人


 正直に記そう。
 作者の片岡翔氏とは面白い縁のある仲だったので、依頼されてとにかく原稿を読んでみた。「本格ミステリ」的なガジェット満載の、これはコメディ? パロディ? 何にせよ、ずいぶん楽しそうに遊んでいるものだなあ。――と、その無邪気さをちょっと羨みつつ、同時にちょっと呆れつつ戸惑いつつ……だったのだが、しかし。

 正直に記そう。
 物語が進むにつれてページを繰る手が止まらなくなり、終盤に入って唸った。実はこんなにも周到に作り込まれた「本格ミステリ」そのものであった、とは。驚き、そして嬉しくなってしまった。気鋭の映画監督でもある片岡氏の、「本格ミステリ」への情熱は本物のようである。


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『その殺人、本格ミステリに仕立てます。』は光文社より好評発売中です。


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■カバーイラストは、浅野いにおさん!

装画は、漫画家の浅野いにおさんに描き下ろしていただきました。

子豚を抱いて笑っているのは、今作の主人公・音更おとふけ風”ぶう。自らを「名探偵の生まれ変わり」と信じて疑わない18歳です。

あぶなっかしいけど憎めない、「ブウちゃん」の活躍にご注目を!

Ⓒ浅野いにお
Ⓒ浅野いにお


■読みどころ

「館」シリーズで絶大な人気を誇るミステリー作家、「犬猿の仲」の一族四兄妹、小説内を再現した九角形の館、マーダーミステリーゲーム……など本格ミステリを思わせるモチーフが多数登場します。

しかし、それらオマージュの演出に留まらず、作品自体も筋の通った「本格ミステリ」。『「殺人」を「本格ミステリ」に仕立てる』べく、主人公らは二転三転する状況にめげず、知的に、アクティブに奮闘します。

裏表紙には怪しげな料金表がありますが、この提示主であるミステリープランナーの男・やまいぬとブウちゃんが、ひょんなことから一緒に仕事を共にする羽目に陥ってしまうのです。

死者を出さない”殺人計画” VS. 孤島のクローズドサークル


まるで故事の「盾と矛」のような対決……勝つのはどちらか、ぜひその目でお確かめください。


■冒頭50ページ試し読み公開中です


■著者プロフィール

片岡翔(かたおか・しょう)
1982年、北海道生まれ。映画監督、脚本家、小説家。
2010年、短編映画『くらげくん』(監督・脚本)が全国各地の映画祭で7つのグランプリを含む14冠を達成。’14年に初の長編映画『1/11 じゅういちぶんのいち』(監督・脚本)で商業映画デビュー。最新作『この子は邪悪』(監督・脚本/‘22年9月公開)が控える。
脚本家としても精力的に活動を続け、手がけた作品は映画『きいろいゾウ』『町田くんの世界』『ノイズ』『線は、僕を描く』、ドラマ『ネメシス』『消しゴムをくれた女子を好きになった。』など。
‘17年、初の小説『さよなら、ムッシュ』を刊行。他の著書に『あなたの右手は蜂蜜の香り』『ひとでちゃんに殺される』がある。



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