深い心と、ババ抜き

これは、ふしぎな話なんだ。

ろんりてきにはわからないはなしだから、
飽きたら、捨てちゃってください。

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世の中には、いいこととわるいことがあります。

苦あれば楽ありみたいなもので、
それはセットなのだけど

たとえば、発展途上国で一日中ミシンに向かっているひとがいて

どこかの国では十着の服をワンシーズンで買うひともいます。

お兄さんは結婚して
かぞく健康で子供もいるが

弟は田舎のご実家で
両親の介護をしながら
アルバイトしていたりします。

そういう風に、幸と不幸にみえるものは
べつべつのひとにも、割り振られます。

ババ抜きといっしょで

「じぶんだけは、ババを引きたくないな」
「いまだけは、それはやだな」

と、みんな腰が引けるんです。

なぜか、そんななかで堂々と
ババを引く人間がいます。

すぱっと引いて、
「ああ、ジョーカーか」
とわかると

その仕事を、
割り当てられた係をするんですよ。

学級委員じゃなくて、
放課後のトイレ掃除みたいな仕事を
平気で引き受けるんです。

そういうひとは、少なくないです。目立たないだけで。

世の中で目を引くのは、うまくやってる人間ですからババを抜くひとは見えなくなります。

そういうみえないひとが、深い心をもっていたり、するんです。

深い心。

それはろんりでは、割り切れないものです。

素数とか、複素数
あるいは、0みたいに
なんにも割れないひとです。

わけわかんないハートです
はたからみたら。

そういう深い心を持つひとが
この世界を見えないちからで
支えています。

みえないでしょ？

でも、そうなんだよ。

僕は深い心をもつひとがすきです。
ほんとうに好きになるのは、必ずそういうひとです

みなさんも実はそうじゃないですか。

いつもババを引いている必要はないけれど
そんなことにはかまわないひと。

そのひとこそ本当の人間なのか
ぼくにはわからないけれど、
やっぱり深い心を持つひとが
すきです。

そして、好ききらいではなく
すばらしいから。

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みなさんも、拍手。