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“英語力ゼロ”で中学一年生からマレーシア留学を果たすための極意

Go for it マレーシア教育移住日記”のブログにご訪問いただきありがとうございます。

日頃から、私たちのブログに寄せられる声で比較的多いのが、「中学生からでも留学できますか?」という相談です。

中学1年生からの留学は日本の感覚では“切りが良いタミング”と思われがちですが、マレーシアのインターに入学するには、実は“切りが良い”とは言い切れず、逆になかなか難しいタイミングなのです。

今回は、《中学1年生以上の“英語力ゼロ”の生徒さんがどのように留学を果たしているのか?》、また《それは実際に可能なのか?》についてお話ししたいと思います。

1. “英語力ゼロ”とはどんな状態か?

私たちにご相談いただく皆さんの中で、「現在の英語力は?」と尋ねると、「ゼロではないです」と答える親御さんは意外と多いものです。

たしかに、「英検三級の勉強をしています」だったり、「週に1度はAEONに通ってます」という勉強をしているので、“うちの子は英語力ゼロ”ではないという認識の親御さんが多いのです。

しかし、「英検三級の勉強をしています」や「週に1度はAEONに通ってます」という状況は、現実的には限りなく“英語力ゼロ”に近いことが多いのです。

私の息子もコタキナバル日本人学校を中学生3年生で卒業した後、日本の高校1年生となる4月にインターナショナルスクールに入学しました。

この時、日本人学校でもらった英語の成績は5段階評価で「5」でしたが、とてもじゃないけど英語力が十分備わっているとは言えず、限りなく“英語力ゼロ”と呼ぶにふさわしい状態だった思います。

そのため、学校の選択肢はほとんどなく、入学させてくれるインターに入りました。

小学校低学年までの場合、英語力が全然なくても“入学できない”という心配はほとんどないかと思います。

インターナショナルスクールに通えば“自然に英語が身につく”という期待もあり、入れちゃえば何とかなるというのもまったくの嘘ではありません。

子供が楽しく学校に通いながら、帰宅後に子供から自然に英語が出てくるのを見ていると、「インターに通って英語が身についてきた」と感じる親御さんも少なくないと思います。

しかし、プライマリーの段階から、セカンダリーに向けてしっかりと年相応の語彙力と理解力を深めていかなければなりません。

そのためには、プライマリーの時から学校の学習だけでは足りず、塾やチューターなどを利用しているご家庭も少なくないというのが現実です。

2. なぜ中学生からの留学を選びがちなのか?

中学生の単身留学も積極的に受け入れている Epsom College

小学校を卒業するまでは日本の学校で過ごし、中学校進学のタイミングで母子留学や単身留学を考えるご家庭は非常に多いです。

しかしこのタイミングは、インター側の立場から見ると、区切りが良いタイミングとは言えないのです。

英国式インターでは、セカンダリースクール(中等教育学校)はYear7からスタートします。その順当な年齢は、11歳か12歳です。

中学1年生の4月から留学をスタートする場合は12歳となりますが、入る学年は生まれ月によりYear7かYear8の3学期となり、それ以前の教程を丸々ロスすることになってしまい、さらに9月になれば新学年へ進級します。

この場合、学年を1つ落として入学することも十分考えられますが、もしセカンダリーの順当な年齢にスタートを合わせるには、小学5年生か6年生のタイミングで留学を開始するほうが望ましく区切りが良いのです。

親としては「小学校を最後までやり切って卒業式に出席させてあげたい...」という気持ちも湧いてきますが、マレーシアのインターの切りの良いタイミングに合わせるほうが、結果的には子供の負担が少ないということも言えるのです。

3. “英語力ゼロ”でセカンダリーに入学する理想的なタイミング

これから英語を学ぶ中学生の受け入れにも積極的な Kingsley International School

留学生活がスタートして半年くらいは新しい生活に慣れることで精一杯で、多くの子にとって英語が身につく期間にはならないものです。

《少し耳が慣れてきた》《頻出単語が自然に出てくるようになった》《反応の仕方が分かってきた》《友達に自分から自然に話しかけられるようになった》と感じられるのは、1年を過ぎた頃からです。

タイムリーに周囲と同じリアクションができたり、ジョークを交えて話したり、テストで自分が間違えた問題を分析したり、得意なことや不得意なことが分かってくるのは、2年目に入ったくらいからです。

つまり、得意な教科で成績を伸ばしたり、不得意な教科を見極めるのには、2年くらいかかると私たちは思うのです。

英国式インターでは、中等教育卒業資格となるIGCSEを成功裡に修めるためには、セカンダリーが始まるYear7からYear11までの5年間をフルに使うことが理想的です。

英語で学び、学んだ力を表現できるまでの時間を逆算すると、やはりYear7の頭から入学しておきたいというのが結論です。

IGCSEで一定の成績を残すことで、その先の進路の選択肢を広げ、世界に飛び出せる夢の切符を手に入れることができるのです。

我が家の次男の場合、Year9の3学期にほぼ英語ゼロの状態で入学しました。そこは、日本人生徒が同じ学年には1人もいない環境でした。いま思えば、それがどれだけ茨の道かをまったく分かっていませんでした。

私の経験から言えることは、中学後半から高校1年生のインター入学には相当の覚悟が必要だといういうことです。

4. “英語力ゼロ”がゼロすぎる日本の教育

中学生から高校生まで入学チャンスがある City Harbour International School

教室の勉強は得意なものの、英語を口から発することが恥ずかしく、英語をしゃべることに抵抗を感じる子が多いものです。

オンライン英会話で英語を長くやっていて、気心知れた先生とよく使う単語を並べて意思を伝えることはできるけど、フェイス・トゥ・フェイスで初対面の外国人に英語を発することができない生徒は意外に多いのです。すなわち、ペーパーテストでは点数が取れるけど、コミュニケーションとしての英語力を発揮することには慣れていないのです。

その状態の子供が、マレーシアのインターナショナルスクールに入学し、いきなり英語で話すことはなかなか難しいので、まずは慣れることが必要で、破らなければならない殻がいくつもあります。

一方、マレーシアのインターに通っている他の国の英語力ゼロの生徒は、語彙力や文法の正確さはなくても、自身を表現したり、何かを要求したり、自分で解決しようとする力を発揮することに長け、先生から見ると日本人生徒と比較した場合の“英語力ゼロ”の度合いがまったく異なります。

先生から見ると、日本人生徒の“英語ゼロ”とは「Shy」「Silent」「Unmotivated」「Negative」という印象が強く、その生徒が持っている本来の性格や英語力を見抜いてもらうまでに時間がかかります。日本人は、控え目で遠慮がちな国民性が故に、どうしてもそうなってしまうものです。

実は、マレーシアのインターへの留学準備として必要なのは、英語力の前に、積極的なコミュニケーションを取る力だったり、日本独特の“恥ずかしい”という気持ちを捨て去る意識だったりします。大人しすぎると、クラスの中で埋もれてしまうのです。

5. 中学生からの留学に求められる英語要件

私たちは、インター校を視察する際に必ず「英語ゼロの生徒は何年生までなら受け入れますか?」と質問します。

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