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素朴な普遍性を追い求める

最近、仕事でアイデアを練っている。頭の中はそれに支配されつつある。もうそれ以外のことはあんまり考えられない。だから、今日は今日考えていたことを書くことにする。

自分が作品を作る時に割と好んで選ぶのは、素朴であること普遍性のある面白さを感じるものだ。

以下、基本的に自分が作ったものをいい例として紹介するので、なんだか暑苦しい感じの記事になるんだけど、、まぁ書いてみる。

不思議な宿

この仕事でやったトイレサインお柱さんはわりと好みの面白さが出たと思う。時計もだな。

まずトイレサインについて

トイレサインのは、普通に止まってる状態をみると、いわゆる普通のトイレサインにみえる。立体で作ったんだなーと思うぐらいだろう。それがある時突然動き出す。シンプルな動きで、一体ごとに1軸の動きだけどなんとも面白い動きに見える。

野暮ながら解説すると、これは動くはずがないものが動く面白さ。そして動きが音楽と連動しているということで、出落ち感なく割と見ていられる。

時計

時計も同じで、普通の時計として機能しているものが、突然狂ったように動き出す。これも同様の衝撃がある。トイレサインがあるので、え、これも!?という感覚もあると思う。そして音楽と連動し、最後は普通の時計に戻っていく。

お柱さん

これは、お柱さんにお願いすると感熱紙プリントで答えてくれるというもの。お柱さんという強烈なキャラは、紛れもなく佐藤ねじさんのアイデアだが、感熱紙プリントで上から落としたら面白いというのは自分が提案した。日頃レシートで見慣れている感熱紙プリントされた小さな紙は、それが違う用途で使われているだけでも面白いものだが、それが高いところから吐き出されて落ちてくるというのはなんとも面白い。あと、おみくじとかを印刷すると、それとなくありがたい感じがするんだから不思議だ。

https://blue-puddle.com

西武のクリスマスウィンドウディスプレイ

これはwe+の仕事を手伝ったものだが、初期の企画会議から参加できたので、アイデアをいろいろ出した。その時にwe+に刺さったのは「毛糸をほどいていくのって面白いよね」っていうアイデアだ。面白さを説明する時は、「例えばマネキンが毛糸の服をきてて、その毛糸を巻き取ってほどけていくと面白いよね」って言った記憶がある。毛糸の手編みのセーターとかがどこかで引っかかって、気がついたら裸になっていたみたいなのは、なにか漫画みたいなもので見かけたことがあるようなそんなモチーフ。自分が提案したのはそこまでで、そこからタペストリーにするとか多層にして会期中変化していくというデザインにしたのはwe+で、見事にかっこいい感じに仕上がった。

AWAMOJI

これは自分が大学の時に作った卒業制作のアイデア。泡を出すタイミングを制御して文字を表示する装置を作った。泡で文字が構成されるというのが意外で面白い。あわであわと描くというのが作れて自分は満足した。

後に科学館のような場所に納品し、上記の映像のような什器にバージョンアップした。

難しいことをしない

なんとなく気をつけているのは、難しいことをしないこと。複雑な現象は面白いと感じるのに状況理解が必要になったりする問題があるからだ。シンプルに爽快に「面白い」と思わせたい。まず浅くそこまでたどり着きたい。

できれば多層の構造にしたい

これは出来てる事例が少ないかもしれないけど、面白さに奥行きが欲しいというか、もう一層先が欲しい。わかりやすいので大昔作ったMONGOOSE SUTDIO時代のfuwapicaを例に説明する。

13年前か。古いな。気を取り直して説明する。

これは座ると色が変わる椅子なんだけど、座ると反応して色が変わる。色が広がって他の椅子にも入っていく。ここまでが1つめのレイヤー。しばらく体験すると、椅子ごとに色が割り当てられていることがわかり、この椅子に座ると赤になるんだな。この椅子に座ると青になるんだなってわかる。では、両方にすわるとどうなるんだ?という疑問が浮上する。そして両方に座ってみると、残りの椅子は赤と青が混ざった紫になる。つまり2レイヤー目は色が混ざるというのがあるわけだ。

体験する時に、すぐに浅めにたどり着ける面白さがあって、もう一つ時間差で別の面白さが来る。そういう構造が作れると、結構面白い体験として記憶に残るんじゃないかと思ってる。

まとめ

割と自画自賛的なトーンの記事になっちゃった。本当はもっと素晴らしい事例として自分が作ったものじゃないのであるんだけど、写真とか使って良いのかとかいろいろ面倒くさい気がするので、楽だから自分の作ったもので書いてるんだよと、言い訳をしておく。

とにかく、久々になにか脳みそを絞って考えてる。そして、この記事は今一緒に考えているメンバーに読んでもらうべき内容になった。

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