ゴーストファクトリー(仮) MVP日誌vol.1(リーンキャンバス作成とヒアリング開始)
こんにちは。
コウヘイくん(@ゴーストファクトリー事務局)です。現在、製造業に従事しながらゴーストファクトリー(仮)計画を進行中です。
前回は、ゴーストファクトリー(仮)の創生までを書きました。
第1話の今日は、プロジェクトの発信前夜。
さしずめ、玄関から外の世界に向かって歩きだした瞬間、といったところでしょうか。
ゴーストファクトリー(仮)が僕の頭の中から飛び出して、いろんな人と共有することで拡散と収縮を繰り返した時期でした。
鬱屈する日々
「目指すのは、スキルマーケット業界のモノタロウ」
ニッチな商品は、何でも揃う店より専門店で探す方が早いし、確実。作業着であれば ”イオン” より ”ワークマン” 、ドリルやエンドミルであれば、ECの雄 ”amazon” より、製造に特化した ”モノタロウ” 。
大小サービスが割拠するスキルマーケット市場において、製造業に特化したバーティカルコマースとしての存在でありたいゴーストファクトリー(仮)。イメージが出来上がると、このプラットフォームサイトが本当にモノになるのか、どうなのか、ぐるぐる回り始めました。
ゴーストファクトリー(仮)は、新しい技術を持ったプラットフォームでははなく、ただの仕組みに過ぎません。既存のサービスにオーナーというステークホルダーが増えた構図だから、法務的にもクリアしなくてはいけない点が既存サービスの比ではないくらい、たくさんあります。
でも、この仕組みに前例はない。
第0話に登場したサービスの方に電話をしました。
1か月前、「これは面白そうですね!ちょっと社に持ち帰ります。」と帰られたので何か進捗があればと思いつつ、協業なんて出来たら一足飛びにサービスが進むぞ、わくわく、と下心を持って。
すると、「御社のペースで進めてください」とケンモホロロ。
…ですよねぇ。そんなにうまく行くはずがない。
リーンキャンバス
2020年8月
ゴーストファクトリー(仮)は新規事業としてどの程度価値があるんだろう?誰かに話しても、一応の興味を示してくれるけれど、アクションを起こすほどのインパクトはない。僕としてはそれなりの自信もあったから、手ごたえみたいなものが欲しかった。起業家や専門家の意見を聞いてみたい。
そんな時、ある企業が開催するスタートアップ支援のサービスを発見。申し込むとすぐに返事をいただいて、2名の方とリモートでのオンラインミーティングとなりました。
あらかた説明をし、数分の聞き取りがあり、僕がいかに自分の頭の中だけで解決しようとしていたのかがよくわかりました。
「製造従事者で副業をしてみたいと思っている人はどれくらいいそうですか?」
それまで、同僚に副業に対する態度を聞いていたけれど、知り合いや周りの人にまで範囲を広げての聞き取りはしていませんでした。簡単なことを面倒がっていた自分が恥ずかしくなったことを覚えています。
まずはリーンキャンバスを作ってみることを勧められ、身近なところのインタビューをしてみては?とアドバイスをいただきました。
「RUNNING LEAN」を購入し、こんなんで良いのかしら?と埋めていったものがコチラ。
ヒアリング開始
2020年12月
ヒアリングを開始しました。とある製造業の元社長にゴーストファクトリー(仮)の所感を聞かせてくださいと、アポ取り。
その方は、製造業らしからぬ施策を次々と行い、若者たちに「ここで働いてみたい」と思わせる町工場を作ってきた人です。かなり早い段階で社員の副業を認めており、兼業人材の受け入れも積極的な先進的企業です。
リーンキャンバスと手書きで作った簡単なイメージ図を持ってお宅に伺い、へたくそなプレゼンをしました。そこでもらった言葉は、意外なものでした。
面白いサービスだから、一緒にやってくれる人は現れるかもしれない。だけれど、その逆の人たちもたくさんいる。君が可愛いと思うその子供を全否定されたとき、心が折れそうになったとき、ちゃんと育て上げることはできるか?新しい取り組みは、タフでないと出来ないよ。
というような趣旨の話をされました。事業計画書やリーンキャンバスはもちろん必要だけれど、もっと僕自身のコアの部分と向き合う必要があるのだと、教えてもらいました。
社外リソースを意識
新規事業を興したこともなければ、プラットフォームサイトがどうやってできるのか、運営として具体的にどういうことをするのかも分からない。一体どこから手を付けて良いのかもさっぱりわからない。(だからこそ、協業者を探していたのですが)
2021年2月
「新しい働き方会議2020」シンポジウム(主催:中部経済産業局、運営:G-net)
前回の「新しい働き方会議2019」への参加で、”どういったプロジェクトであれば兼業者は手を上げてくれるのか”といった、兼業希望者の質感や本業の職種などが、なんとなくではありますが、理解できていました。
この日は ”兼業者受け入れの取り組み” に対する成果を、受け入れ企業サイドが発表するイベント。もし、評価がある程度担保されているのであれば、ゴーストファクトリー(仮)の立ち上げで挑戦してみよう、と目論んでいました。
すると、前項目で相談した企業の後任社長が登壇されていました。知り合いが登壇しているとは、僥倖!質問する機会を得たので、プロジェクトを進めるにあたっての注意点や、押さえるべき点などを教えていただきました。
※3回を経た「新しい働き方会議」は、年々兼業希望者も受け入れ企業側も増加していること、そして熱量も上がっていること、運営側もノウハウが蓄積されてきているということを確認。
副業希望者の増加ペース、既存サービスの上場、CMなどの接点増加。副業の盛り上がりは間違いない。地方や製造業へもその熱は伝わり、副業希望者は増えるだろうと確信。
続ヒアリング
僕は会社内ではいわゆる現場の人間で、お客様との窓口の業務はしていません。なので、外部の人との接点は多くありませんが、一方、総務企画部として展示会への出展などの、非製造業務も兼務しています。そのおかげで、リスペクトする経営者の方々とお知り合いになれ、お話しする機会もいただきました。
2021年3月
H社長
前出のイベント後に改めてお話をさせていただきました。コンスタントに兼業者を受け入れる先進的企業。兼業者とのチーム作り、プロジェクトの進め方など、貴重なお話を聞かせていただきました。
2021年5月
I社長
製造畑の方ではないので、どういうスモールスタートが有効だろうと相談しました。金言、”どうスタートを切るべきか” はもちろん大事だけど、まず何より行動を起こすこと。行動から得られるものの大きさを教えていただきました。
Hセンター長
起業などの相談窓口の方。ゴーストファクトリー(仮)が押さえておくべき労務的視点やコンテンツ充実のアドバイスをいただきました。マッチング機能に期待を寄せてくださいました。
2021年6月
T社長
ナレッジについての深堀りとクラウドファンディングの活用例を。資金調達の観点とPRの観点でのクラファン利用のアドバイス。ゴーストファクトリー(仮)であればどう使うのか、アドバイスいただきました。
T社長
収入目的ではなく意味報酬を持ち出すと、プロボノ(無報酬労働)との競合になる。その時、彼らをどう守るのか?副業者の ”誇りを失わないための対価” についての見解が胸を打ちました。また、ゴーストファクトリー(仮)ができる別の可能性を話し合う中、僕が ”製造業従事者のためのサービスにこだわっていること” を見抜き、彼らのためのサービス作りをしたいと思っていることに気づかせてくださいました。
第1話、プロジェクトの発信前夜はここまで。こうして振り返ってみると、この期間はいろんな人との共有によって得た ”気づき” の期間でしたね。
次回はプロジェクトの始動に入ります!