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[monozuku/モノヅク] 製造業のためのスキルマーケット MVP日誌vol.5(MVPの定義確認とインタビュー実施)


こんにちは。
コウヘイくん(@モノヅク事務局)です。一部では、MVP実証実験のフライヤーの配布も開始しました。

【monozuku/モノヅク】概要
製造業従事者のための副業支援サイトであり、製造業特化型の人材・スキルシェアマーケットです。
製造業従事者がタイムカードを切ってから、本業で使う機械や設備を間借りして副業を行う、というサービス。日本が世界に誇る製造業の職人たちが、勤務先の許可のもと専門の機械を使って活動します。
2022年5月にMVPによる実証実験がスタートする予定です。

vol.4では本格的にMTGが始まり、タイミングよく大規模展示会も重なったのでヒアリングを実施。

vol.5は、そのヒアリング共有から始まります。

コウヘイくん_岐阜県の小さな町工場に従事。現場作業がメインだが、新規事業など非製造業務を兼務。図面通りに作ることより、クリエイティブな作業が好き。プロジェクトリーダー。

ぐっちょん_日系コンサルティングファームに従事。ECサイト構築、新規事業・サービス開発にも携わる。主に事業開発・サービス開発のディレクションとオペレーション担当。

にしやん_デジタル素材販売プラットフォーム企業に従事。アンテナの感度が高く、SNS運用やファンマーケティングにも強みを持つ。本業で新規事業にも携わる。主にマーケティング担当。

あいさん_NPO法人G-net所属。”人事部のない会社の人事”のようにサポートしてくれる「G-net」で、つながりや関係性を大事にするコーディネーター。今回のプロジェクトでの伴走者。

ヒアリング(2021/11/13@メッセ名古屋)共有

前回も書いた内容と重複。作業が完全に分担されていると、ワーカーの作業の自由度が著しく低く、副業したくても限界がある、という点が懸念点でした。ただ、このことは製造に従事している人じゃないと分からないかもと思ったので、メンバーたちと共有するために製造業の業務プロセスの確認をしました。

②と③が完全に分かれた企業では、作業の前後の作用が大きすぎて仕事として成り立ちにくいのです。②だけだと、加工データは作れるけれど機械の運転ができない。③だけだと機械は動かせるけど加工データがないので実稼働しない、といった具合。後述のペルソナ設定でも必要になるので、事前に共有しておきました。

ヒアリングの結果、ほとんどの企業は②③の分断は無かったので、一安心です。ただ、ヒアリングの対象がオーナー寄りになっていることと、そのレイヤーは副業にあまり前向きではない事が分かりました。一方、発注側、つまりBPOの一つとしての本サービス、という観点は可能性を秘めているようです。

4か月後のゴールとMVPについて

4か月後のゴール設定のために、我々はどこまでサービスを固めることができるのか、どのレベルを目指すのかを議論しました。
そのためににしやんが用意してくれたものが、各フェーズごとに割り振った以下のもの。

とても分かりやすいフレームで、特にエンジニアとデザイナーの必要性の有無が判断されているのは、プラットフォームサイト作りを全く知らない僕には本当にありがたかったですね。

さて、当初のゴールであるクラファン。その目的を本来の目的である資金調達のみ(PR、需要のマーケティング調査を省いて)で考えてみることに。

資金が必要になるということは、現メンバーにはいないエンジニアとデザイナーが必要になるということ。つまりクラファン前に開発が必要になる。これを残りの3.5か月に収めるのは、かなりハードルが高いのでは?

にしやんが作ってくれたフレームでかなりシンプルにとらえることができ、着地点が見えてきました。レベル2~3までを検証しつつ、プロトタイプを作るには何が足らないのかを確定していく。
プロトタイプに必要なものが整理された状態=事業計画書を作成。
これが再設定された1stピリオドのゴールとなりました。

1stピリオドのゴールが再設定されたことで、ぐっちょんがリスケしてくれたものがコチラ。

顧客の深堀り

このサービスにおける顧客とは誰なのか?お金を出す購入者なのか、利用料を支払うワーカーなのか?この時点では、顧客はワーカーであるとして進めています。

前回のMTGで中庸なイメージのペルソナ設定をしてしまったので、ペルソナの目的を再認識しました。サービスを使ってくれそうな人(イノベーター・アーリーアダプター)であり、インタビューが敢行でき、マーケティングの際に活用できるもの。そこでペルソナを一人に限らず作ってみることに。

「ソリューションの提供」と「価値提供」の2軸へ

展示会のヒアリングでも実感しましたが、残念ながら副業のニーズは製造業の中にはそれほどありません。コロナ禍でもリーマンほどの衝撃はなく、つまり、生活や収入の観点での深刻さがない状態です。

一方、副業ニーズの高まり自体が世相としてあり、本サービスの話に食いつく人が一定程度いることから、「課題」観点での議論ではないのかもしれない、という意見がでました。きちんと言語化でき、概念を共有できたことで全員がこれに納得。
「ソリューションの提供(あるべき姿とのギャップ=痛みの解消)」「価値提供(ありたい自分とのギャップ=欲求の解消)」の観点が加わりました。

現在の副業ニーズは一部の業種と都心が主で、ふるさと兼業(G-net)にエントリーする人たちの志望理由が参考になるのでは?とにしやんの核心をついた発言。レイトマジョリティとしての地方や製造業をイメージして、メンバー全員が肌感覚として理解しました。よって、プロジェクトの伴走者であるあいさんにG-net情報の提供をお願いしました

そんな中、ペルソナを再設定したものがコチラ。載せていませんが、定性的な心理行動要素なども書いています。

課題として、収入や将来への不安などソリューションの部分と、リスキリングや経験値などの価値としての部分が明確になってきました。あとはインタビューの中で課題感や、価値観の答え合わせをしていくことになりました。

インタビューの実施

現時点で出そろった課題や価値、懸念点、ペルソナ、こういったものをインタビューをして仮説検証をするフェーズに入りました。インタビュー内容は大まかにこんな素案。

対ワーカー
・副業に興味はあるか?するなら好きなこと?得意なこと?
・趣味で機械を借りたことは?
・商品販売、スキル販売、ナレッジ販売、マッチングしてみたい?
・自己実現や将来に対する備えに関してどうしてる?

対オーナー
・自社従業員の副業に抵抗は?
・自社の設備貸し出しに関してどう?
・製造専門のスキル販売、ナレッジ販売、使ってみたい?

これらを基本に詳細化。Google Formsを使って、アップデートを重ねました。アンケートではなくインタビューなので、最終的には一人に対して30分近くの時間を要しました。ご協力いただいた皆様に、とにかく感謝です。

インタビューをしてみて分かったことですが、現在、”クラウドワークス”、”minne”、”ビザスク”などの既存のサービスが存在しています。ところが、多くの人はそれらの名前を知っていてもどんなサービスなのかよく分かっていませんでした。上場している企業のサービスで、競合もひしめいている業界でこれは意外でしたね。

なので、インタビューでは既存サービスの説明から入る必要があったため、ここまで時間を要してしまいました。カタチや概念のないものを説明することの難しさを知りました。

ここまでのインタビューから見えてきたのは、オーナーの懸念事項を先回りする必要があるということと、金銭的にオーナーに還元することは難しいかもしれないということ。

これまでワーカー目線でサービスを考えてきたので、これよりオーナー目線での取り組みに入っていくことになります。また、同時にビジネスモデルの深化をはかっていきます。

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