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今のところ、連敗街道爆進中。

我が家にはルンバがいる。名前は『コンポコ』、敬愛する藤子・F・不二雄先生の漫画『エスパー魔美』で、主人公の魔美が飼っている犬の名前だ。購入当時には動物を迎え入れる予定がなかったため、我が家のペット的存在だった。
だが、現在の我が家には猫がいる。
そして猫はコンポコが嫌いである。
小心者のうちの猫からしたら、やかましい音を立て、急に自分の方へ向かってくる事もあるコンポコは恐怖以外の何者でもないだろう。
我が家に来てから半年以上、猫はコンポコが起動すると縦型ケージの最上段に逃げ込んで息を潜めていた。
しかし、いつの頃からか、猫はケージの外でコンポコの動きをじっと目で追うようになった。どうやら音自体には慣れて来たらしい。しかし自分の方へ近づいて来よう物なら、やはりケージの中へ一目散に逃げ込むのだった。
それでもどうやら最近は猫も、コンポコからの安全距離が分かって来たらしい。

直進している間は、脇をすり抜けても攻撃(自分に向かってくる、という意味)はされない。
何かにぶつかったら急に進行方向が変わって、もしかしたら自分の方へ向かってくるかもしれないから気を付けねばならない。
そして何より、コンポコは地面から離れられない。

たゆまぬ観察の結果、とうとう猫はケージの中に逃げ込まずとも、ベッドやソファーの上に乗ってコンポコをやり過ごす術を学んだのである。その様子を見た私たちも、地面からどけた猫ベッドや爪とぎサークルをソファーやベッドに置き、猫が落ち着ける安全地帯を確保してやることにした。

ベッドの上の安全地帯

これでだいぶ不安が減ったのか、猫はコンポコとの距離を測りながら床の上に寝そべるほどの余裕を見せるようになったのである。いざコンポコが迫って来たら、ソファーかベッドの安全地帯に逃げ込めば良い。


見切った。
コンポコなど恐れるに足らず。

とはいえ、やはりコンポコを好きになる事は到底不可能で、今日もものすごく渋い顔をしながら床に座り、隣の部屋で動き回るコンポコを監視していた。多少のやせ我慢をしてでも、己のテリトリーを譲らぬぞという様子には、猫の男気がにじみ出ていた。
だが、いざ自分の方へコンポコが向かって来るや、男気などどこへやら、慌ててソファーに飛び乗り、お気に入りの箱に小さくなって収まりながら、情けない声で鳴いて人間に助けを求めるのである。
コンポコがポートに戻るまで、一度も逃げずにいられるようになる日は来るのだろうか。

なにせこの表情である


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