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カレーラーメンを食べに行ったら白米が出てきた話
どんな人にもミスコミュニケーションが起きたことはあると思います。
これは私の3年ちょっとのタイ生活の中で、食事関連で起きた最大のミスコミュニケーションの話です。
タイ・バンコクに赴任して数週間が経った頃、学生時代の卒業旅行でプーケットを訪れた際に食べた「カオソーイ」というタイ風カレーラーメンが無性に食べたくなりました。
カオソーイはタイ北部の名物料理でバンコクでは北部料理の専門店でしか食べられないことが多いです。
バンコクに住み始めて間もない当時の私はそのことを知らず、カオソーイが食べれるお店がすぐに見つかるだろうという軽い気持ちで、街中探検のついでにバンコクの中心部のレストランにカオソーイを出しているか聞いて回りました。
中々カオソーイを出しているお店が見つからず、20分ほど炎天下で歩き続けて疲れ始めていたところ、ようやくカオソーイを出していると言うレストラン店員に出会いました。
レストラン前に立つ店員に話しかけ、
私「カオソーイ ミーマイ?(カオソーイありますか)」
店員「ミー(あるよ)」
私「Oh、じゃあ アオカオソーイヌーン、ビアヌーン(カオソーイひとつ、ビールひとつください」
店員「OK。ごにゃごにゃ?」
私「(何を言ったか聞き取れない)OK、OK。Thank you。」
と言う会話を経て難なく注文完了。
席に案内してもらい、ほどなくしてビールが運ばれて来ました。
その直ぐ後、「さすが微笑みの国」と思わせるような満面の笑みで来たスタッフが持ってきたのは白米が乗ったお皿。
なるほど、この店はカオソーイと白米はセットなのか
と思いながらビールを飲みながらカレーラーメンの到着を心待ちにしていましたが、どんなに待ってもカオソーイが運ばれてくる気配がありません。
ビールを飲み干してしまい、とうとうお腹が空いた私は店員にカオソーイがまだ届いていないことを伝えました。
しかしその店員はもう届けてあるじゃないかと、
白米を指差してきた。
タイ語が分かる方はお気づきかもしれませんが、白米はタイ語で「カオスワイ」と言います。カタカナ表記だと「カオソーイ」と全然違う様に見えますが、実際に聞いてみると意外と音が近いのです。LightとRightくらいの違いです。
(ちゃんと発音できる人からすれば全然違うのですが、タイ語初心者だった私には表現できませんでした)
すなわちこの店の店員は私が白米とビールしか頼まない酔狂な客だとこれまでずっと思っていたのです。
私は改めて携帯でカオソーイの写真を見せながら店員にカレーラーメンがあるかを聞きましたが、写真を見た瞬間「ない」とキッパリ。
すっかりカレーを食べたい口になっていた私は仕方なくグリーンカレーを頼み、「カオソーイ」ではなく「カオスワイ」と一緒に平らげたのでありました。
海外生活が長いゆえに、慣れない言語でもしっかりと意思疎通ができると思っていた私にとって、この事故は自分のコミュニケーションに対する理解を大きく改める機会となりました。
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