児童虐待や動画炎上問題について
今回は、靴やファッションとは全く関係のない、時事問題について個人的な思いを書いています。
少し長くなりますが、ぜひご一読ください。
1.児童虐待について
千葉県での小四女児の虐待死のニュースについて、両親だけでなく、教育委員会へのアンケート、児童相談所の対応など、様々な観点で報道されています。
子どもを持つ親として、この手のニュースは常に辛いものがあります。特にこのニュースは、多くの大人が関わり、救えるチャンスがあったのではないか、という点でかなり辛いです。
虐待はもちろん、あってはならないものです。でも、そもそも虐待する親って、「異常者」で済ませていいのでしょうか?
子育てをしていて、常に「自分は虐待していないか?」と不安に感じる事があります。それは体罰など分かりやすいものではなく、躾や人格形成に関する部分です。
また児童相談所がけしからん、という意見もよくネットで見ます。ただ、「じゃあどうすればいいんだ?」というところまで突っ込んでいません。
現在、一人の児童福祉司が100人の児童を見ていると言われています。これは極めて異常な状態です。もし、貴方は100人の子どもの状態を正確に把握出来ますか?
私には無理です。
つまり、児童相談所が対応すべきレベルは超えてしまっている、という現実を把握しておく必要があります。
※もちろん虐待の通報などの窓口として、児童相談所は必要だと思います
「虐待死」を防ぐ、という対処療法はもちろん必要ですが、なぜこれほど多くの児童が「虐待」を受けているのか、という点を社会全体で受け止めて、少しずつでも改善していく必要があるのではないでしょうか?
警察OBや弁護士など、積極的に現場に介入しても良いと思います。
と、中途半端ですが、一旦次のテーマに移ります。
2.動画炎上問題について
バカッターと揶揄される、悪ふざけの動画をSNSにアップして炎上する事件が相次いでいます。
さて、この問題の本質はどこにあるのでしょうか?
・動画を撮る人
・動画は撮ってもいいが、SNSにアップする人
・そもそも飲食店で悪ふざけする人
・子どもをきちんと躾出来ていない親
・アルバイトを厨房に立たせている会社 など
少し思い出してください。
もし、自分が中高生ぐらいで、今のネットやSNSがあったら、このような悪ふざけをしない、と断言できますか?
私は正直、その自信はありません。
彼らは加害者である事は間違いありません。それに対する罰は必要です。
でも誰に対してどんな害を与えたのか、をもっと真剣に受け止める必要があります。
そして、彼らを雇った企業が「被害者」なのでしょうか?少なくとも私はそうは思いません。むしろ、今回の問題の責任を問われるのは、企業側だと思っています。
この手の問題が起こる背景として、教育も重要です。
「SNSやネットの危険性をきちんと学校で教育しているのでしょうか?」
一部学校では、SNSの使用禁止という話を聞きます。ただ、理由も分からず取り上げてしまうのは、悪手でしかありません。
また企業側の問題として、外食チェーンやコンビニは、アルバイト無しでは成立しない業種になってしまっています。
飲食業でお客様が口に入れるものを、責任の無いアルバイトが作っている時点で、それは企業の仕組みの問題でもあります。
もちろん「教育」をする事で、ある程度は意識を高める事は出来るかもしれませんが、アルバイトに依存し過ぎな仕組みそのものを変えないと、形は変わっても同じ事が起こると思います。
例えば厨房をオープンキッチンにする事で、この手の悪ふざけの多くは防げます。コンビニもおでんなど直接触れるものは販売しない、とすれば良いわけです。
それを「出来ない理由」はあるかもしれませんが、そういう部分が動画により表面化しただけの話です。売上至上主義となってしまい、そこに潜在的にあった「リスク」が今回表面化したに過ぎません。
それが出来ず、このような問題が起こった場合に企業から賠償請求されるのであれば、今後アルバイトは減って、自滅していく事になります。
また一部では、炎上させたアルバイトに「多額の賠償金を請求しろ!」「実名報道しろ!」という声があるみたいですが、確かに抑止力にはなるかもしれません。
でも「たった1回の悪ふざけ」で、しかも人を殺したレベルでも無い人間に、人生が終わるほどの罪がありますか?
そんな叩き方をしている人を見ると、より辛さが増してしまいます。
というわけで、ようやく本題に入ります。
3.今の社会、おかしくないですか?
今回書きたかったのは、このテーマです。
私は最近、今の社会は本当に怖いと思います。それは、「中途半端な正義感」に満ちているからです。あえて「中途半端な」と付けたのは、本当に小さく些細な正義感でしか無いからです。
しかも、なぜかその正義感は攻撃性を伴っている事が多く、マウンティングとさほど変わりないように感じます。
例えば児童虐待の話で、「児童相談所はけしからん!」といいます。それはそうです。何も間違っていません。でも、「どうすればいいか?」はありません。
動画炎上問題でも、「食べるものにこんな事をしてけしからん!」は多く見かけますが、何が問題でどうすればいいか?はやっぱりありません。
「日常のストレスを、正義感に見せかけて発散している」
これは叩きやすい人を叩いているだけで、「いじめ」となんら変わりはありません。もちろん、「問題」も解決しません。
私は児童虐待も動画炎上問題も、背景にあるものは同じだと思っています。
「今の社会って変じゃないですか?」
これについて、きちんと書いてみます。
社会というのは、それ自体が具体的に存在するわけではなく、ただの器です。構成しているのは、「人と人の繋がり」です。
つまり、「こういう事件が発生する背景として、今の社会を構成している人自体がおかしくなっている」というわけです。
こう書くと、「そんなの一部の人間がおかしいだけだ!」という、もっともな意見も出てきます。
でも、こう書きたい理由もあります。それは、インターネットの存在です。
インターネットは生活を便利にしてくれました。しかし、同時にいくつもの弊害も生んでいます。
その中でも、今回のテーマに関係する3点として、
(1)情報を求めて、スマホ依存にしてしまう事
(2)SNSで、自分にとって居心地の良い場所を簡単に見つけられる事
(3)You Tubeの存在
(1)情報を求めて、スマホ依存になってしまう事
これは色々な問題を含蓄していますが、一言でいえば人を「無知」にしてしまっています。
何かあればすぐネットで調べます。でも、ネットで調べる事は「情報を得る事」とは直結しません。ましてや、「知識」レベルまで昇華させる事なんて、到底出来ていません。
断片的で中途半端な「情報」を、大量に取り入れようとします。そうして、暇があったらスマホを触る、という依存習慣が出来上がります。
これは結構な問題です。一番分かりやすいのは、電車に乗っている時です。
昔は本を読んだり、一緒にいる人と話したりでした。が、今はほとんどスマホを触っています。
私は子どもの頃、電車に乗っている大人が少年ジャンプを読んでいるのを見て、「こんな大人にはなりたくない」と思っていました。
(残念ながら、そんな大人になってしまっていますが。。。)
また子育てをしていて、公園などで遊んでいる時にスマホを触っている親が結構います。子どもへの関心よりスマホに夢中、となると、子育てにも影響が出てくるのではないでしょうか?
(2)SNSで、自分にとって居心地の良い場所を簡単に見つけられる事
では、なぜそんなにSNSを見るのか、と言えば、自分にとっての「社会」になっているからです。
これは子どもだけの話ではありません。大人も同じです。
例えば有名人であったり、ファッションなどの趣味であったり、SNSは自分の興味のあるものしかフォローしません。その中で、同じ趣味趣向の仲間を見つけて、会話をします。
大人であれば、現実があってSNSをしているのかもしれません。ただ、それは大人が自律しているわけでもなんでもなく、「単に生まれた時期が良かった」というだけです。
分別が付かない子どもが、SNSで自分の興味がある「社会」にしか繋がりを持たない危険性を、もっと躾や教育として伝えていく必要があると思います。
(3)You Tubeの存在
You Tubeが出来て以来、素人が動画を発信する、という行為が当たり前になりました。You Tuberという職業まで出来ています。
テレビはBPOという組織によって、一応監視されています。
(まあ思いっきり偏向されていますが)
質が悪い(視聴率?)ものは、打ち切りにもなります。
かたや、You Tubeは「閲覧数」が収入になります。つまり、コンテンツそのものの質ではなく、いかに「キャッチー」であるか、が重要です。
この延長線上に出てくるのが、「悪ふざけ」です。
大人からすれば、「You Tubeなんて何が楽しいんだか?」というものですが、子どもからすれば、悪ふざけ=面白い、という感覚なんだと思います。(実際、私も中高生の時は、友人と悪ふざけしていました)
規制する事が問題解決になる、とは思いません。また、本当に動画で何かを発信しようとする人まで規制する必要もありません。
ただ、小銭稼ぎで悪ふざけするYou Tuberは退場させる仕組みは必要だと思います。そこをYou Tubeの運営頼りであれば、問題は解決しないでしょう。
一番効果的なのは、閲覧数に対する報酬を10分の1にすれば、すぐ辞める気がしますが。
4.本当に言いたい事
児童虐待や動画炎上問題について、「親が悪い」という意見は本当によく見られます。
例えば、
・子どもに「赤信号は渡ってはいけません」と注意します。その横で、平気な顔をして渡る大人がいます。
・「SNSをしてはいけません」と学校で注意されたものを、電車の中でみんな触っています。
それを見て、子どもはどう感じますか?
これは「ダブルバインド」と呼ばれる行為で、特に子どもの人格形成において問題とされるものです。
子どもを持つ親として、もちろん躾の責任はあります。そこを無視するわけではありませんが、子どもが育つ上で、家庭や学校で過ごす時間が全て、でもありません。
そこで、全ての大人に言いたい事ですが、
「子どもの手本となれる大人になっていますか?」
もちろんこれは、自分自身も含めての話です。
「子どもは社会で育てる」なんて、子どもを持つ親としては、安易に主張出来るものでは無いかもしれません。
ただ、今の時代の子育ては本当に難しく感じています。
ストレスに溢れ、悪意に満ち、他の人をマウンティングする事で自身を保つ、こんな社会が正常なわけがありません。
まずは大人が、子どもの手本となって、良い社会に戻していきませんか?
合同会社ゲットゴーイング
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