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コングのグルメ〜第1話〜

ある朝。

設定した目覚まし時計より10分早く目が覚めて、飼っている亀にご飯をあげながら、カーテンを開けるKONG。

鏡を見ながらチャチャッと身支度をしてTシャツに腕を通した時、炊飯器が


「ピーッ!ピーッ!」

と鳴り響く。

まるで消し忘れた目覚まし時計のアラームのようだ。

炊飯器に向かい、移動中に食べれるように"おにぎり"を握るKONG。

ちなみに最近ハマっている"おにぎり"は、
『塩昆布』『おかか』『白ゴマ』に『胡麻油』を垂らした、混ぜご飯の"おにぎり"

コレがうまいんだ。

太陽の手を持つKONGですら、熱々の白米を"おにぎり"にするのは苦戦をしいられる。

誰も見ていないのにポーカーフェイスで平静を装うKONG。

ヒリヒリする手をスリスリしながら全ての準備が整った。

時計を確認すると

5:30を少し過ぎた所。


「さぁ…。

行こうか…。」


こうしてKONGの休日が幕をあける。


車を走らせ到着したのは"市場"

魚介類の匂いに包まれ、活気のある人達とすれ違い、素敵な値段で売られる商品を見て歩くのは楽しい。

たまに魚屋でバイトしていた頃を思い出す。

しかし

『なつかしいなぁ〜』


と、一服つける程市場の時間の流れはゆっくりではない。

最初に出会った【食材】が他のエリアを見ている間には無くなっている経験を何度もしてきたKONGは0.8の視力をフル活用し食材を探すのだった。

20分程度探索した頃、ふと目に入った食材に心が奪われる。

【鯨の刺身】


「これ!こ、このままいけるんですか?」

「おうよ!わさびじゃなくて、擦ったニンニクの方がいいぜ!」

「わぁお!くださぁーい!」

……。

…。

数十分に及ぶ探索を終えて、夕飯の食材を揃えたKONG。

買ったモノは

【鯨の刺身】【豚のタン下】【ニンニク】。

車に戻り、生モノをクーラーボックスに入れる。

この市場には野菜と肉類もあるのだ。

時刻は7時15分。

予定通りだ。

車で"おにぎり"を食べながら、一旦家に帰り、購入した食材を冷蔵庫に入れ、歯を磨きながら洗濯機を回して9時から予約していた歯科医院に向かうのであった。


歯科医院での診察はスムーズに終わり、口の中(アンドリュー)の回復は順調でホッとひと息つきながら再び家に帰る。(※詳しくはこちら)

時刻は9時40分。

ここから仕込みだ。

俎に匂いが付かないように、牛乳のパックを俎代わりにして、タン下の血をキッチンペーパーでしっかり拭き取り切っていく。

正直、
血がたっぷりついたタン下はなかなかグロい。

だが、この作業をしている時に
『スーパーで陳列されているのは誰かがやってくれている』
と実感し感謝が深まる。

切った部位によって、"焼く""煮る"を分ける。

"焼く"部位は冷蔵庫にシーユーアゲイン。

"煮る"部位は下茹でをし、ダシ、塩、胡椒、ニンニク、生姜、醤油を入れて煮込み始める。

大根を入れようとしたが、冷蔵庫に大根は無かったので、

『市場で買っとけばよかった…』

と、後悔するが市場では"煮る"なんて考えていなかったので仕方ない。

コンロに火を着け、弱火で約2時間。

この間に家の掃除、亀の水換え、最後に風呂掃除を行い、風呂のタイマーを16時30分にセットする。

時間を見ると11時30分。

予定通りだ。

火を止めてパトロールを始める。

(フラフラ)

『あ、鉄棒だ。

ぶらさがろう。

1.2.3.4.5.6.…。

ふぅ。

懸垂しよう。

1....2....3....4.....5....。

ふぅ。

今日はコレぐらいで勘弁してやるか。』

(フラフラ)

『あ、本屋さん行こ。』

(フラフラ)

『なんか全然疲れてないから走ろう。』

(ダバダバ)

『釣り竿持って来ればよかった。』

(ダバダバ)

良い感じに汗をかきホリデーも満喫したKONGは呟く。



「腹が、減った…。」




時計を見たら16時20分。

家に帰り、洗濯物を取り込んで、43度の風呂に入り、1日の総決算を行う。

「さぁ…

行こうか…。」


本日2度目の仙道彰(スラムダンク)。

アルコールを体内に入れて、鯨を摘みながらタン下を焼く。

(モグモグ)

「これが鯨かぁ。


馬刺しに似ているのか?


特に生臭さも感じない。


ほ〜いいじゃないか。」


同時に煮ているタン下も仕上げる。

ようやくここで歯医者以降の着席し、酒とタン下を口に運ぶ。

「タンとは全然違う食感だ。


食感はカシラに近いのかしら?


味は…。


うまい。

肉って感じのうまさだ。


なんて良い日なんだ。


人間、


休日は必要だ。


ふぅ…。


……。


…。


予定外だ。


おじちゃんねむたくなってきたどー。」


時計を見ると20時00分。


もう夜中だ。


お化けが来る。


寝なきゃ。


洗い物を片付け、歯を磨き21時に布団に入り動物を数える。


ハシビロコウが1匹…。


ハシビロコウが2匹…。


ムニャムニャ…。


鳥だから…『羽』だなw


ハシビロコウが1羽…。


ハシビロコウが2羽…。


ハシ…ビロ……


……


…zzzzzzz。


こうしてハシビロコングの休日は終わった。


休みの日は


こういうのでいいんだよ。


こういうので。


それでは。

また。

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