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あつまれコンビニエンスストア

どうも。 KONGです。

今回は、KONGが昔バイトしていたコンビニで起きた、
ある不思議な体験の話。


山口県から東京に出てきて、専門学校に通っていたKONGは、
学校の授業が夕方前に終わる日には、駅のパチンコ屋でバイト。
夜まで授業がある日は、寮の近くのコンビニでバイトしていました。

KONGがバイトしていたコンビニのスタッフは、

・店長
・店長の奥さん
・ほぼ毎日出勤しているパートのおばちゃん
・年上の近所の兄さん
・KONG

の5人。

常に2人がお店に出てお店を回す、かなりアットホームな職場でした。


アットホームなのはスタッフだけじゃなく、
会計時にお客さんが日常会話を振ってくるのは当たり前。

中には


「終わったら食べな!」

 
とお菓子を買って渡してくれる人もいました。

殆どのお客さんが常連さんで、
生活のルーティーンで寄ってくれていたので、
店の忙しくなる時間もほぼ決まっていました。

そんな中。

ある日、店長が

「いつもの銭湯の店員さんも来たし、今日はもう銭湯帰りの人達は来ないねぇ!
今の間に商品出しとこうか!俺は裏で発注しとくねぇ~」

と言って事務所に入り、店内にKONGが一人になった時がありました。

一人で黙々と品出しをしていると


『ウィーン』


と入り口の自動ドアが開いた音がしたので

「っしゃいませぇぇい!」 

と、間抜けな声を出しながら入り口を見ましたが。

ーーーーーー店内に誰かが入った形跡はなく。


自動ドアが勝手に開く事は、別に珍しくもないので、

『・・・誰かが入り口の灰皿にタバコを捨てて、
それがセンサーにひっかかったんだろう』

と思う事にして、気にせず品出しを続けました。

しかし、

次の出勤の時にも同じ現象が起きました。

夜、一緒に品出しをしていたパートのおばちゃんが、


「最近毎日あるのよぉ!
22時過ぎた暇な時間に自動ドアが勝手に開くのよぉ!
あまりに頻繁すぎるから、
店長に言って自動ドアの溝もしっかり掃除してもらったのに不思議ねえ!」
(おばちゃんは、かなり威勢がいいタイプ)


と言ってきたので、 KONGが


「あれっすよ!店の前を通った誰かが、タバコの吸殻捨ててんすよ。
その時にセンサーに引っ掛かったんすよ!」

と言うと、妙に納得してくれて、
二人で「名探偵だな!」なんて笑いながら品出しを続行。

そしてケースが空になったので、
事務所に片付けにバッグヤードに向かおうとした、


・・・・・・その時。

「おい!アレ!なんだ!?」


と、わりとデカイ声でパートのおばちゃんが、暗い外の道を指差していた。

「なんすか?」

と聞くと

「今、なんかいたぞ!
デカイ犬?!いや、猪か??」


東京都内に、猪?

思わず、

「まじっすか?」

と聞くと

「まじだ!!
犬・・・?
いや?しかしデカかったなぁ・・・。
熊か?
流石にねぇなぁ!!
猪だったら気を付けろ!!
まぁ品出しやるか!!
私は発注するから事務所にいくなぁ~」

と、おばちゃんはテンションが高いまま、
バックヤードに引っ込んでいきました。


一人残ったKONGは誰もいない店内で、
お菓子の品出しをしながら、考えていました。


『・・・猪?

自動ドアが開いた瞬間に入って来るんかな?
 
・・・いや、そもそも突き破ってこれるじゃねえか?

・・・倒せるか?

無理だろ』

するとまた、自動ドアが……

『ウィーーーーーン』


と開いたので、条件反射で

「っしゃいませぇぇい!」 

と言いながら立ち上がり、入り口に目をやる。


また、誰もいない・・・。


肩を落とし、商品棚の前に再びしゃがみこむと。

がさ・・・・・・


がさ・・・・・・

何か音がする。


入り口の方から。


「あれ?さっき誰も見えなかったけど・・・」


と思いながら、その場にしゃがんだままで、
音のする方を見ていたら

横切った。

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膝歩きをしてる女の人が。

……。

…そりゃもうビックリ。

お客さん来てるじゃん。


「っしゃいませぇぇ」

と言いながら急いでレジに戻った。

すると、ちょうど奥からパートのおばさんが戻ってきて、

「早く品出しやっちゃえよぉ!」

と言ってきたので、今お客さんが来てる事を伝えたのですが、

「え?どこ???」

とお店を見回すおばちゃん。

・・・・・・・誰もいません。


「お前も自動ドアと一緒で壊れたか?」


あぁ…、

そーなんですねー…

……

はい…

猪じゃなくて良かったです…。

でも、センサーにひっかかるんですか?

よくわかりませんけど、怖かったです。

と自分の中で整理をして、その日から

『自動ドアを開けっ放しにしよう。』

となって、数日間そのスタイルで営業を。

それから、気付いた時には自動ドアが勝手に開く事もなくなり、しっかりそのコンビニエンスストアを学校卒業まで続けましたとさ。

それでは、

また!!!

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