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サムライスピリッツ

どうも。

KONGです。

アニメ、漫画、小説、それぞれに登場する人物の台詞で、
「意味はわかるが日常では滅多に使わない、むしろ使ったら不自然な台詞」
は多々ある。

今日はそんな台詞がKONGの人生で1番しっくり来た瞬間のお話。

それは中学2年のバスケ部時代。

日々の練習は過酷であり
「隙があったら休みたい」
「今なら少しサボれるんじゃねぇか?」

なんて思った事も多かった。

しかしそれはバスケ部に限らず、他の運動部も

「うわぁ…。あの練習キツそう…」

なんて思う独自の練習もそれぞれ行なっていた。

さて、事件が起きたのは外練習の時。

バスケ部はコートの半分、つまりハーフコートの四隅にそれぞれ人が並び、
走ってきた人にパスを出す→パスを出した人は弧を描くように対角線に走る→パスを受けた人は目の前を横切った人にまたパスをして弧を描くように対角線に走りだす。
(ボールを落とすとペナルティー)

走りながらパスを受け、相手にしっかりパスを繋げる事により視野も広げる、通称『四角パス』と呼ばれていた練習をしていた。

炎天下、鬼顧問の合図が出るまでボールが止まる事はない。

唯一、走ってパスを出した後は、列の最後尾に並ぶ為、その時にほんの少し休む。

水泳部の『バチャバチャ』聞こえる水の音と笑い声が耳に入ると、

「楽しそうだなぁ…」

と思ったり、

炎天下、バスケ部のコートの外周を防具を付けたまま、竹刀を持って走る剣道部を見ると

「ありゃ…しんどいだろうな…
 武士道…己との戦いだな…。」

とも思った。

四角パスが始まり数分後、疲労もかなり出てきた、一年生は膝に手を当て肩で息をしている。(俺も一年生の時はキツかったな…)

KONGの前に並んでいた一年生がフラフラになりながらもパスを受けて、スタートしたその時・・・・・・
コートの外を走っていた剣道部(3年生)が、ショートカットをする為なのか、意識が朦朧としていたのか、
防具を装着していたので表情がわからなかったが、四角パス最中のコートにカットインしてきたのである。

序盤なら気付いたであろう一年生も、疲労で集中力を欠いていたのか視野が狭くなっていたのか、気付かずそのままパスを出してしまった・・・・

『ボカン!!』

見事顔面にボールがヒット。

バタコさんも驚くようなピンポイント顔面アタック。

やっている練習は『四角パス』だが剣道部の先輩からすると『死角パス』。

一旦止まる練習、駆け寄る一年生に

フラフラしながら立ち上がる剣道部の先輩がこう言った。

「き…貴様ぁぁぁぁぁ!!

何をしたぁ!!!!」

竹刀をしっかり握りながらそう叫ぶ姿。

人生で初めて

「貴様」

の言葉がしっくりきた瞬間だ。

しかも

「何をした!!」

とは、まるで妖術を喰らった武士が言いそうな台詞ではないか。

心の中まで武士そのものだった。

しかし、この時『武士道』に『近道』は無く『通り道』も重要だとバスケ部ながら感じた。

その後、剣道部の先輩はバスケ部の先輩方と鬼顧問に宥められ、
「お前も悪い」
と言われ
抜いた刀は鞘に戻したが、竹刀は丸出しで、再び武士道への道をコートの外周からスタートをするのでした。

その後ろ姿から

『拙者は流浪に…
また流れるでござるよ…』

と聞こえてきたかどうかは、また別のお話。

めでたしめでたし。

それでは!

また!

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