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山田無庵著 キリシタン千利休

山田無庵著 キリシタン千利休 河出書房新社 1995年1月
加治将一さんの「軍師 千利休」でショックを受けたのだけれど、この本、緻密に考察、そして多くの参考文献も引用され、学術書として素晴らしいものだと思う
茶の湯は、カトリックの司祭の所作を取り入れているとか聞いたことがあったのだけれど、ここでは、なんとSt.Luke(聖ルカ)の音を写して千利休だとか、屏風絵に十字架を持った利休が司祭の持つ杖を持って、多分死に装束で歩いているとか云々・・・

昔、三井の大番頭に益田孝という方がいて、号して鈍老としていた、それをドンノウと読ませたと聞いた時に、こりゃあドンノウ
英語じゃなかろうかと思って、伝記を読んだ時に、さすが三井物産だと感心したことがあった

加治氏の織田信長に関する本、第6天魔王織田信長もあり、あのころの日本のキリスト教カトリックの大ブーム、多分、日本国を根本から揺さぶったと思われる、ポルトガルの鉄砲、大砲、戦い方から火薬製造を輸入して信長は、天下統一一歩手前まで、そして、どうもキリシタンであった明智光秀、本能寺の変、なんと大徳寺というお寺、いや、南蛮寺で葬儀が営まれたのだそうだ

著者の山田先生は、この本をまとめて後、急逝されたそうであるが、もっと大胆に仮設を書いていただければ、当時のポルトガルとスペインとの勢力争いと本能寺の変、千利休を主導したポルトガル占領政策実行宣教師、そしてスペインとか、もっともっと面白い話が聴けたかも知れない

人の思いの儚さも観た思いです

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